牛 法 ◎歌
1 碧空の雲に消えゆく告天子 【祥雲】
歌
2 退院の届きたるより春めきぬ 【牛郎】
◎ 祥 駒 歌
3 庭にいで胸の奥まで春めきぬ 【法被衣】
牛 歌
4 菜の花や口いっぱいにほろ苦さ 【あらまち一駒】
祥 法
5 一村を埋めし菜の花過疎の村 【歌子】
祥
6 菜の花の色に紛れて白き比良 【牛郎】
駒
7 菜の花の満ちて人影淋し道 【法被衣】
8 足音に恋バナ雲雀飛び立てり 【あらまち一駒】
◎ 牛 ◎駒
9 赤子より育てし孫や十二の春 【歌子】
法
10 ふるさとの山河はいかに花菜風 【祥雲】
11 町名に雲雀丘とつく団地 【牛郎】
12 雲雀鳴く地平の果てに屋根光る 【法被衣】
13 春めく日二度寝で続く夢語り 【あらまち一駒】
駒
14 野に高く雲雀の賛歌我も歌ふ 【歌子】
15 春めくや斑鳩(いかる)百羽のピイピイポポポ 【祥雲】
16 白鳥の北帰うながす川の音 【あらまち一駒】
祥 ◎法
17 比良山の残雪遠く農具市 【牛郎】
牛
18きじ翔ぶや錦繡ながく垂らしつつ 【祥雲】
19開け放す車の窓や梅流る 【法被衣】
20春めくとは名ばかり虎落笛鳴りぬ 【歌子】
♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬
♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬
選句 鑑賞
祥雲選 【◎3,5,6,17】
◎3庭にいで胸の奥まで春めきぬ
庭の植物や動物などの小さな蠢きに気づいた感動がひしひしと伝わってきます。
5一村を埋めし菜の花過疎の村
日本の原風景のような美しい景がもの悲しさのなかに表現された良句です。
6菜の花の色に紛れて白き比良
近景の黄色い菜の花と遠景の残雪の比良山地が対比的に巧く表現されています。
17比良山の残雪遠く農具市
琵琶湖を挟んで真向かい遠くに残雪の比良山地が見える所の農具市。
自然と人間の営みの絡みが上手く表現されています。
♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬
♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬
牛郎選【1、 4、 ◎9、 18、】
1碧空の雲に消えゆく告天子
私の様な山家育ちが見た事のない大草原を想像しました。
4、菜の花や口いっぱいにほろ苦さ
待ちに待った春を満喫する美味しい句に食が進みます。
◎9、赤子より育てし孫や十二の春
事情は判りませんが、作者の苦労が報われた満足感が伝わる句に感動。
18、きじ翔や錦繡ながく垂らしつつ
国鳥の雉、飛ぶことが苦手な鳥の様ですが翔雄の綺麗な事。
♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬
♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬
法被衣選【1,5,10,◎17】
1碧空の雲に消えゆく告天子
告天子がひばりということを勉強させていただきました。
ひばりが鳴く空の大きさを感じます。
5一村を埋めし菜の花過疎の村
にぎにぎしい菜の花と人影のない村の対比、埋めしが利いています。一村と過疎の村の村はどちらか省略できるような気もします。
10ふるさとの山河はいかに花菜風
原発事故でふるさとを追われた人々に思いを馳せてしまいます。
◎17比良山の残雪遠く農具市
近景の農具市の人の気配と遠景の大自然の空気感の対比が秀逸です。
あらまち一駒選 【3、7,◎9,14】
3庭にいで胸の奥まで春めきぬ
春よ来いの思いが伝わりやっと春が来た喜びに満たされてる感がとっても伝わる。
7菜の花の満ちて人影淋し道
広大なジャガイモ畑が今年は菜の花畑に人が菜の花畑に埋まってしまう程の風景が浮かびます
◎9赤子より育てし孫や十二の春
どんなにか愛しくもう手を離して良いかなが十二の春に込められてとっても良いと思いました。
14 野に高く雲雀の賛歌我も歌ふ
雲雀に誘われて歌い出す様子が浮かび良いですね。
♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬
♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬
歌子選 【◎1,2,3,4】
◎1碧空の雲に消えゆく告天子
そこまで高く飛ばなくてもと思うほど高いところまで高くまっすぐ上から
雲雀は子供を見守ってるんですね。視界の高さ広さ、雲雀の響き渡る鳴き声
五感が刺激される美しい句。
2退院の届きたるより春めきぬ
退院が決まりやっと心配から解き放たれて、我が家に春が始まります
といった心境がよく伝わってきます
3庭にいで胸の奥まで春めきぬ
長かった冬が終わり、深呼吸しながら春の到来を楽しんでいる光景が目に浮かびます。
大雪の青森でももうすぐこんなことが実感になるでしょう。
4菜の花や口いっぱいにほろ苦さ
味覚で春を感じるなんともおいしそうな一句。
♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬
♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬ ♪ ♬
編集がすっかり遅くなりました。大変申し訳ありません。
選句と感想と作者名を一気にご紹介しました。
各自、選句や選句数に間違いがないかどうぞ確認してください。
3月の兼題は、一人一題づつ提出するということでいかがでしょうか。
よろしくお願いします。ですから句は5句の投稿ということになります。
4月の季語 3月はもう終わるので4月を意識した兼題をお願いします。
●祥雲さん より 【 干潟 】
●牛郎さんより 【 林檎の花 】
●法被衣さんより 【 猫の子 】
●あらまち一駒さんより【 新学期 】
●歌子 より 【 4月馬鹿 】
コメント欄にお願いします。コメント欄に書き込みが難しい方は
haikude575@yahoo.co.jp
までお送りください。