| 季語 | 特選 選者 | 並選 選者 | 作品番号 | 作 品 | 作者 |
| 無花果 | 1 | 無花果や焼いて食べてとラジオから | 一駒 | ||
| 無花果 | 2 | 無花果が甘し宗祇の生まれし地 | 牛郎 | ||
| 無花果 | 牛 | 3 | 無花果の木の白き血の思ひ出や | 法被衣 | |
| 文化の日 | 歌 | 4 | 文化の日負けて押売り新憲法 | 一駒 | |
| 文化の日 | 歌 | 5 | 文化の日歩ひて廻る展示場 | 牛郎 | |
| 文化の日 | 駒 | 6 | 今日は晴れ何して遊ぼ文化の日 | 法被衣 | |
| 文化の日 | 法 | 7 | 文化の日家族居並び二眼レフ | 歌子 | |
| 当季雑詠 | 8 | 採り忘れ果報な巨峰甘露かな | 一駒 | ||
| 当季雑詠 | 祥 | 歌法 | 9 | 外で会ふ妻のスーツに赤い羽根 | 牛郎 |
| 当季雑詠 | 10 | 松毬踏みつ墓苑の迷い道 | 法被衣 | ||
| 当季雑詠 | 牛 | 11 | 舟小屋の屋根に重石鰯雲 | 歌子 | |
| 紅葉狩 | 12 | 新車来て睡蓮沼に紅葉狩 | 一駒 | ||
| 紅葉狩 | 13 | 禅堂の下の道行く紅葉狩 | 牛郎 | ||
| 紅葉狩 | 歌祥駒 | 14 | 降り積もる庫裡の甍の紅葉狩 | 法被衣 | |
| 紅葉狩 | 法 | 15 | 秘湯巡り人溢れたる紅葉狩 | 歌子 | |
| 紅葉狩 | 牛 | 16 | 河童橋ゆ仰ぐ穂高の紅葉狩 | 祥雲 | |
| 文化の日 | 法 | 17 | 文化の日われはネットの写真展 | 祥雲 | |
| 当季雑詠 | 18 | 二十四の瞳や丘の秋桜 | 祥雲 | ||
| きりたんぽ | 19 | 寒夜には母手作りのきりたんぽ | 祥雲 | ||
| きりたんぽ | 祥 | 20 | 比内鶏子飼を絞めてきりたんぽ | 一駒 | |
| きりたんぽ | 祥 | 21 | 杉の香も隠し味なりきりたんぽ | 牛郎 | |
| きりたんぽ | 22 | きりたんぽ土鍋に集う笑顔かな | 法被衣 | ||
| きりたんぽ | 駒 | 23 | 箸に巻く舌まく父のきりたんぽ | 歌子 | |
| 無花果 | 牛 | 24 | 遥かなるトルコ無花果お茶請けに | 祥雲 | |
| 無花果 | 駒 | 25 | 失いし乳房のごとき無花果 | 歌子 |
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選句・感想
歌子選 【◎４，５，９，１９，２２】
「負けて押し売り」って、何のことかと一瞬考えましたが、敗戦後、マッカーサーの下で、新憲法が作られることになり、ベアテさんという22歳の女性がかかわったものであったことを思い出しました。ほとんど知られていない事実だと思うのですが、多分そのことを詠まれたのだろうと思います。
並選 ５文化の日歩ひて廻る展示場【牛郎】
秋になると、各分野の趣味の作品展示があり、知人友人の作品を見るのが毎年楽しみだったもので、そんな賑わった時代があったことを思い出しました。
並選 ９外で会ふ妻のスーツに赤い羽根【牛郎】
「外で会う妻」「スーツ」「赤い羽根」それ以上の説明も何もありませんが、いろいろドラマが想像できて、新鮮な印象を受けました。
並選 14降り積もる庫裡の甍の紅葉狩【法被衣】
古い建造物に降り積もる紅葉・・・美しい景ですね。
庫裡の甍（くりのいらか） 見慣れない漢字、調べて初めて知った読み方と映像でした。
祥雲選【◎９，１４，２０．２１】
特選 ９外で会ふ妻のスーツに赤い羽根【牛郎】
新鮮な感覚が溢れていて、奥様を改めて惚れ直した感じがします。
赤い羽根が社会福祉に役立ってくれることを祈ります。
並選 １４降り積もる庫裏の甍の紅葉狩【法被衣】
お寺の瓦屋根に降り積もった紅葉を鑑賞している景が浮かびます。
視点の斬新さに惹かれます。
並選 ２０比内鶏子飼を絞めてきりたんぽ【一駒】
子飼の比内鶏を入れて煮込んだきりたんぽ鍋の美味しさが伝わってきます。
並選 ２１杉の香も隠し味なりきりたんぽ【牛郎】
きりたんぽの串の杉の香りが滲んでくる、味覚・視覚の調和した句です。
一駒選 【◎２５，６．１４，２３】
特選 ２５失いし乳房のごとき無花果【歌子】
なるほど無花果もぐときオッパイの感触だね白いお乳も出るし
並選 ６今日は晴れ何して遊ぼ文化の日【法被衣】
祝日は記念日じゃない庶民はレジャー日和と捉えてるよね
並選 １４降り積もる庫裡の甍の紅葉狩【法被衣】
瓦の茶系の色味と黄赤の色合わせが素敵です
並選 ２３箸に巻く舌まく父のきりたんぽ【歌子】
お父ちゃんがうんちく述べて新米をきりたんぽに作ってる様子にホッコリ
牛郎選 【◎１１、３、１６、２４、】
特選 １１船小屋の屋根に重石鰯雲【歌子】
旅情たっぷりの句に二重丸。
並選 ３無花果の木の白き血の思い出や【法被衣】
子供の頃を思い出す句に賛同。
並選 ２４遙かなるトルコ無花果お茶請けに【祥雲】
世界三大無花果とか聞いております。
法被衣選【◎７，９，１５，１７】
二眼レフ、時代と趣味を感じます。
並選 9外で会ふ妻のスーツに赤い羽根【牛郎】
何かセレモニーだったのでしょうか。
かしこまった中に打ち解けた雰囲気が感じられます。
並選 15秘湯巡り人溢れたる紅葉狩り【歌子】
秘湯なのに人だらけ。その落差と現実感のある句です。
並選 17 文化の日われはネットの写真展【祥雲】
時代ですねえ。
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