特選選者 | 並選選者 | 番号 | 作 品 | 作者 | 選者の感想、評 |
1 | 凩や空き缶カンと飛んでゆく | 祥雲 | |||
牛郎 | 2 | 凩や母は徹夜でミシン掛け | 歌子 | (牛郎)昭和三、四十年代の母親像が蘇ります | |
3 | 木枯らしや帽子巻き込み塀の外 | 一駒 | |||
4 | 木枯らしにシーサーの鼻ふくらまし | 牛郎 | |||
一駒 | 5 | 道の先木枯の音乾きたり | 法被衣 | (一駒)落葉やゴミがカラコロ音が聞こえてきます | |
歌子 | 6 | 十夜果て車座になる般若湯 | 牛郎 | (歌子)十夜も般若湯もいみを初めて知りました。知らない世界をみて新鮮で印象深かった。 | |
7 | 津軽富士白髪頭で初冬かな | 一駒 | |||
歌子 牛郎 | 8 | 軒下に美脚ずらりと干大根 | 祥雲 | (歌子)大根足と言われたら、大根とていじけそうですが、美脚とは、まんざら悪い気がしません。なんともおかしみを感じ楽しくなりました。 (牛郎)冬の風物詩にユーモア感じます | |
祥雲 | 9 | 婆ちゃんの角煮大根ほろほろと | 歌子 | (祥雲)婆ちゃんの愛情の籠った豚の角煮と大根の炊き合わせが美味しそうに表現されている。 「ほろほろ」の表現が良い。 |
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10 | 大根や物干しざおで占拠かな | 一駒 | |||
11 | 大根干す木屑飛び散る小屋の窓 | 牛郎 | |||
祥雲 一駒 | 12 | 大根に素手の温り奪われし | 法被衣 | (祥雲)大根は非常に冷たいので、この感じよくわかります。 (一駒)手も寒くても上手い漬物作ろうと愛情が表れてる。 |
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13 | 初時雨田に残されし耕運機 | 法被衣 | |||
牛郎 | 14 | 初冬の戦車轟々ウクライナ | 祥雲 | (牛郎)悲惨な戦争の終結一日でも早い事願っています | |
一駒 | 祥雲 | 15 | 初冬や老いの身支度四苦八苦 | 歌子 | (祥雲)大いに共感します。物忘れもあり、マスクやハンカチなどを忘れたりです。初句と中句の取り合わせが効いています。 (一駒)人生の冬も大変だけど四季の冬の身支度はほんと大変だ |
16 | 初冬の皇帝ダリヤ空に伸び | 牛郎 | |||
歌子 | 17 | 初冬や猫は寝言の昼下がり | 法被衣 | (歌子)猫の寝言、なんてかわいいんでしょう。何を夢見ているのか。日当たりのいいところでぴくぴくさせながら寝言を言っている猫に目を細めている作者の優しいまなざしまで浮かんできます。 | |
法被衣 | 18 | 禅寺や艶葉に凛と花柊(はなひらぎ) | 祥雲 | (法被衣)艶葉の厚ぼったい光沢感がまざまざと浮かんできます。 俳句は言葉の写真を体感できます。 |
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法被衣 | 牛郎 | 19 | 舫綱(もやいづな)に栄華とどめて冬の船 | 歌子 | (牛郎)作者の心情がよく伝わります。 (法被衣)観光船でしょうか、夏の賑わいと裏腹の人の居ない冬の光景、綱一本に見事に凝縮。 |
法被衣 | 20 | 鄙宿の五右衛門風呂や星月夜 | 祥雲 | (法被衣)五右衛門風呂のある古い宿、星月夜の御馳走付き。贅沢です。 |
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祥雲 | 一駒 | 21 | 満天姫(まてひめ)の吐息零るる星月夜 | 歌子 | (祥雲)星月夜の満天星を擬人化してロマンチックな句に仕上げたところが気に入りました (一駒)江戸から津軽へ降嫁し星を見上げて偲んだろうね。 |
歌子 | 22 | 星月夜何処に迎えか救急車 | 一駒 | (歌子)星月夜の感動から不意に現実に引き戻される不安感が感じられます。 | |
歌子 | 23 | 天の母どこかに紛れ星月夜 | 牛郎 | (歌子)星になってしまった母はどのあたりで光っているのだろうと、いつまでも夜空を眺めている切ない思いと星月夜の美しさが胸に迫ります。 | |
24 | 星月夜光年降り落つ山の道 | 法被衣 | |||
法被衣 | 25 | 祝日や口笛吹いて露天風呂 | 一駒 | (法被衣)身も心もゆったりうきうき。こんな日が一番シアワセ。 | |