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青空へ白木蓮の斉唱す 【祥雲作】 |
◎特選 (あらまち一駒選) 青と白が際立って春を感じる 〇並選 (法被衣選) 花があたかも口を開いて歌っているように見立てが面白いです。 〇並選 (歌子選) 花の合唱団とは素晴らしい思い付き。思わずハーレルヤと歌い たくなりました。情景が見えるようです。 |
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指舐めておはる牡丹餅お中日【丑郎作】 |
◎特選【歌子選】 季重なりが気にならないくらいに、『指舐めて終わる』が 臨場感あります。牡丹餅づくりの情景が目に見えて、 おもわず指にあんこがついていないか、見つめてしまいました。 |
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巣立つ日の孫の胸元パールかな(あらまち一駒作) |
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がうがうと冬を連れ去り春来る 【歌子作】 |
◎特選(法被衣選) 春一番をこのように表現する俳句の面白さ。 〇並選(丑郎選) がうがうの音の表現気に入りました。 |
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春一番窓越しに観る修羅場かな 【法被衣作】 |
〇並選(あらまち一駒選) 風でゴミ箱でも吹っ飛び回ってるのでしょうか、勢いがある句です。 |
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三月の山河は水の光り出す 【祥雲作】 |
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三月や何処も始まる田の準備 【丑郎作】 |
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三月や余命宣告伸びる月【あらまち一駒作】 |
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祝い事続く三月鉢を買う 【歌子作】 |
〇並選(丑郎選) 手作りの鉢植えの花のプレゼント素敵。 |
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三月や牛の顔さへのんびりし 【法被衣作】 |
〇並選(祥雲選) 馬ではなくて、穏やかな牛が良い。三月の季節感が巧みに表現されている。 |
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寂しさを残し千羽の鳥帰る 【祥雲作】 |
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群青に染まる大琵琶鳥帰る 【丑郎作】 |
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鳥帰るはたきパタパタ転勤や【あらまち一駒作】 |
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餌ひとつ持たず大空へ鳥帰る 【歌子作】 |
〇並選(祥雲選) 千里の北へ鳥が帰ってゆく。そのすごさに心を寄せている。 |
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黄八丈織る手の白さ鳥帰る 【法被衣作】 |
〇並選(丑郎選) 長く続いている伝統産業の担い手に感謝。 |
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〇並選(あらまち一駒選) 織物が出来上がる頃は手も白く鳥も北へかえる |
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万物のうごめく影や水温む 【祥雲作】 |
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水温む坂本城の穴太積 【丑郎作】 |
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術後すぐ介護申請水温む 【あらまち一駒作】 |
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南国の「キジー」銛(もり)突く水温む【歌子】 |
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田の端の小さな滝や水ぬるむ 【法被衣作】 |
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青柳や寅さんの声どこからか 【祥雲作】 |
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蔵元の看板かくす青柳 【丑郎作】 |
◎特選(祥雲選) 景が見える良句。岡山県倉敷市の倉街の美しい景を見るようです。 〇並選(法被衣選) 柳が新芽を出し、今まで見えていた蔵元の看板が見えなくなった という冬から春への時系列の発見が面白い。
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ゆらり揺れ人かと竦む柳かな【あらまち一駒作】 |
◎特選(丑郎選) 幽霊画の大家応挙「柳」を選んだ意味が判ります。 〇並選(法被衣選) 暮れなずむ道の先にいるはずのない人影にドキッ。 なーんだ柳の木じゃないか、と自虐的な面白さがあります
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雪解けて水面に揺るる猫柳 【歌子作】 |
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道沿いに孤高の一本柳かな【法被衣作】 |
〇並選 (あらまち一駒選 ) 柳の木が長いこと人の往来を見てきたような孤高感が良い。 〇並選(祥雲選) 精神性のある句。「孤高」が光る。 |
三月も無事に乗り越え、四月を迎えることができそうで感謝です。
さて、早速ですが、次回の兼題をよろしくお願いいたします。下記のコメント欄か
私宛てのメールでお知らせください。お待ちしております。
祥雲さん ( 蛙 )
丑郎さん ( 春風 )
法被衣さん ( フリージア)
あらまち一駒さん(山笑う )
歌子 (雑詠)