顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

J次郎2選  第35回

●J次郎2選【2 15 29 30】
 
津軽路は薄墨色や秋時雨
 
   イメージですねえ(東海地方から見た勝手なイメージです)
   もしかすると、平凡そのものの句、なのかもしれません。
   しかし、その句からのイメージがぴったりと来るので
 
15 ぶどうの実屋根に落とした小鳥かな
 
   これは、逆にイメージがぴったりと来ません。
   最初は、小鳥の落とした葡萄の種が、芽を吹いて、実まで成りました。
   なのかなあ・・・とイメージしたのですが
   なんとなく違うだろうなあ・・と
   それでも、最初の屋根に葡萄の葉っぱが茂っているイメージを買って
 
 
29 風上に金木犀の棲家かな
 
   「棲家」という凄い字面のインパクトに負けました。
 
 
30 銀杏を拾う媼は腰伸ばし
 
   「媼」の字に負けました。句そのものは、そんなに強くないのですが
   媼が、わたしなんかよりもずっとずっと年上であることを感じさせます。
 
 
選外で気になった句は
 
5 しゃらしゃらと薄が揺れて人じゃらす
 
   人じゃらす 、という新しい語感。ススキを大きなネコジャラシ
 
   と見立てたところ。そこに好感がもてるのですが上一の、
 
   しゃらしゃら、が最適だったろうか。と考え込んでしまいました。
 
 
28 鰯雲語れぬ罪のひとつあり
 
    毎月の投句に同趣旨の句を見かけます。語れぬなにかが
 
    いつもあるのですね。先月も同じ句があったような気にさせ
 
    られたので、選句外としました。
 
 
27 遠山に薄紅の色秋時雨 
 
    これは、2の薄墨色と対象をなす、秋色の句、といいたい
 
    ところなのですが 薄紅から連想するのは、桜、桃、など
 
    の春の色なのです。 雨を透かした紅葉の色はもう少し
 
    暗めのおちついた色ではないでしょうか
 
 
イメージをもらって「盗作」です
 
    「津軽路や、三味(しゃみ)の音色も、鼠(ねず)の雨」
 
    「覚えなし、小鳥のくれた、葡萄かな」
 
    「鍵開けば、金木犀の、両隣」
 
「銀杏の、並木車道に、媼出で」
 
「人じゃらす、薄の果ての、涸れ川原」
 
「遠山の、緋を流しだす、鼠(ねず)の雨」
 
 
 
 
 
 
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J次郎2さんの作品 (10月15日)
 
 
3 白々と秋時雨明け黒き道       【J次郎】
 
14.小鳥群る果実なる木の名も知らぬ 【J次郎】
 
25.家ひとつ解けて青空刷毛の雲    【J次郎】