顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

2024年(令和6年)4月句会 作品、作者、選句、選者、感想, 次回兼題

 

1

月夜田の万の蛙のシンフォニー       【祥雲作】

 

◎特選 (法被衣選)幻想的な風景に蛙の大合唱が聞こえてくるようです。      

◎特選    (丑郎選)月夜の田んぼの蛙の鳴き声、交響曲への喩に絶賛。        

◎特選   (あらまち一駒選)カエルの鳴き声が月まで届きそうです          

◎特選   (歌子選)うるさいとか気持ち悪いくらいしか思いつきませんが

シンフォニーにまで昇華させる想像力がすごい。「万の蛙」‥万もいない

でしょうが、そう思わせるほどの蛙のすさまじさ、半端ない数字に圧倒

されます。

  

2

事務所前石の蛙のお出迎え           【丑郎作】

3

春風やバイク十台爆走す           【祥雲作】

4

独り立ち祝いの花はフリージア    【あらまち一駒】

5

昨日今日凍え汗ばみ山笑う    【法被衣作】

6

退院を祝うフリージア束にする  【歌子作】

7

フリージア金婚年の妻の手へ   【祥雲作)

 

並選(あらまち一駒選)金色がお似合いのご夫婦になった嬉しさが

滲みます

8

フリージア八丈富士の裾模様   【法被衣作】

 

並選(丑郎選)フリージア八丈島の特産品と聞いております。

9

秩父路の金婚旅や春の虹     【祥雲作】

10

青蛙池に産卵知らん顔      【あらまち一駒作】

11

赤黄白八丈からのフリージア   【丑郎作】

12

嫁御やーい膨らむ蛙の鳴き袋   【歌子作】

 

並選(法被衣選)蛙はメスを求めて鳴き声を競うとか。蛙をユーモラスに

描写しています。                 

並選(あらまち一駒選)自然界の生殖の神秘がユーモラスに聞こえます

13

水底に泥の煙幕蛙消ゆ      【法被衣作】      

 

並選(歌子選)今まさに慌てて逃げる蛙の一瞬の景。泥の煙幕を張って

ドロン。季語と情景がとてもよく表現されていると思います。

14

夜桜に満月を君は観たかな    【あらまち一駒作】

15

田を返す土の匂ひや鳥の群れ   【丑郎作】

 

◎特選(祥雲選) 田起しをすると、ミミズなどが出てきて、それ

を鶺鴒などの鳥が突いて食べるのです。昔父が牛と鋤で田起こしを

していたのを思い出しました。懐かしい景です 

                                        

並選(歌子選)地の底から土のにおいを醸し出しながら眠りから覚めた

春を掘り起こしている様子が目に見えるようです。

 

16

冬眠の明け早く熊花芽食う    【歌子作】

 

並選(丑郎選)地球温暖化のせいか熊の被害が増えているとか。

17

廃船をねぎらう如し花筏     【法被衣作】

 

並選(祥雲選)生と死の対比が際立つ美しい良句です。

18

孫泊まる娘のベット山笑う    【あらまち一駒作】

19

豚の尻叩いて獣医山笑ふ     【丑郎作】

 

並選(法被衣選)大丈夫だよと豚の尻を叩く獣医の愛情を感じます。

                                       

並選(歌子選)けがか出産か、獣医さんに診てもらったのでしょう

か。その場の人々の動きや音も聞こえてくるようです。豚のお尻をぺちぺち

とするところが、俳句の可笑しみがあり、俳句が生き生きしています。

20

歯が欠ける自前十五本山笑う  【歌子作】

21

亡き父母も子や孫たちも山笑う 【祥雲作】

 

並選(あらまち一駒選)野山も田畑も先祖伝来の土地等も春の到来で

ヨモギ色に染まってる様子

22

春風に流れてしまえ裏切りも(あらまち一駒作)

23

正門を大きく開き春の風   【丑郎作】

24

春風や野点煎茶のおちょぼ口 【歌子作】

 

並選(祥雲選野点煎茶の急須の様子を詠んだものでしょうか。長閑

さと滑稽味のある良句です。 

                                                  ・・・・・・・・・・・・・・・                並選(法被衣選)のどかな春景色の中、茶をすするおちょぼ口が絶妙な

描写です。


並選(丑郎選)故郷の茶園での煎茶式行事思い浮かべました。

25

春風の土手に命やあふれたり【法被衣】

 

並選(祥雲選)土筆などの命が溢れている景でしょうか。大いに共感

できる良句です。

 

四月句会が終わりホッと一息ですね。今月は祥雲さんが満点句でした。おめでとうございます。兼題のお願いは、前ページにも載せてありますが、各人一題、よろしくお願いします。コメント欄かメールで送ってください。お待ちしております。

5月の投稿締め切りは5月25日です。

 

次回兼題 

祥雲さん    (万緑)

丑郎さん    (柏餅)

法被衣さん    (初鰹)

あらまち一駒さん  (柿若葉)

歌子   (当季雑詠)