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月夜田の万の蛙のシンフォニー 【祥雲作】 |
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◎特選 (法被衣選)幻想的な風景に蛙の大合唱が聞こえてくるようです。 ◎特選 (丑郎選)月夜の田んぼの蛙の鳴き声、交響曲への喩に絶賛。 ◎特選 (あらまち一駒選)カエルの鳴き声が月まで届きそうです ◎特選 (歌子選)うるさいとか気持ち悪いくらいしか思いつきませんが シンフォニーにまで昇華させる想像力がすごい。「万の蛙」‥万もいない でしょうが、そう思わせるほどの蛙のすさまじさ、半端ない数字に圧倒 されます。
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事務所前石の蛙のお出迎え 【丑郎作】 |
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春風やバイク十台爆走す 【祥雲作】 |
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独り立ち祝いの花はフリージア 【あらまち一駒】 |
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昨日今日凍え汗ばみ山笑う 【法被衣作】 |
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退院を祝うフリージア束にする 【歌子作】 |
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フリージア金婚年の妻の手へ 【祥雲作) |
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並選(あらまち一駒選)金色がお似合いのご夫婦になった嬉しさが 滲みます |
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フリージア八丈富士の裾模様 【法被衣作】 |
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秩父路の金婚旅や春の虹 【祥雲作】 |
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青蛙池に産卵知らん顔 【あらまち一駒作】 |
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赤黄白八丈からのフリージア 【丑郎作】 |
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嫁御やーい膨らむ蛙の鳴き袋 【歌子作】 |
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並選(法被衣選)蛙はメスを求めて鳴き声を競うとか。蛙をユーモラスに 描写しています。 並選(あらまち一駒選)自然界の生殖の神秘がユーモラスに聞こえます |
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水底に泥の煙幕蛙消ゆ 【法被衣作】 |
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並選(歌子選)今まさに慌てて逃げる蛙の一瞬の景。泥の煙幕を張って ドロン。季語と情景がとてもよく表現されていると思います。 |
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夜桜に満月を君は観たかな 【あらまち一駒作】 |
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田を返す土の匂ひや鳥の群れ 【丑郎作】 |
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◎特選(祥雲選) 田起しをすると、ミミズなどが出てきて、それ を鶺鴒などの鳥が突いて食べるのです。昔父が牛と鋤で田起こしを していたのを思い出しました。懐かしい景です
並選(歌子選)地の底から土のにおいを醸し出しながら眠りから覚めた 春を掘り起こしている様子が目に見えるようです。 |
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冬眠の明け早く熊花芽食う 【歌子作】 |
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並選(丑郎選)地球温暖化のせいか熊の被害が増えているとか。 |
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廃船をねぎらう如し花筏 【法被衣作】 |
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並選(祥雲選)生と死の対比が際立つ美しい良句です。 |
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孫泊まる娘のベット山笑う 【あらまち一駒作】 |
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豚の尻叩いて獣医山笑ふ 【丑郎作】 |
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並選(法被衣選)大丈夫だよと豚の尻を叩く獣医の愛情を感じます。
並選(歌子選)けがか出産か、獣医さんに診てもらったのでしょう か。その場の人々の動きや音も聞こえてくるようです。豚のお尻をぺちぺち とするところが、俳句の可笑しみがあり、俳句が生き生きしています。 |
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歯が欠ける自前十五本山笑う 【歌子作】 |
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亡き父母も子や孫たちも山笑う 【祥雲作】 |
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並選(あらまち一駒選)野山も田畑も先祖伝来の土地等も春の到来で ヨモギ色に染まってる様子 |
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春風に流れてしまえ裏切りも(あらまち一駒作) |
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正門を大きく開き春の風 【丑郎作】 |
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並選(祥雲選)野点煎茶の急須の様子を詠んだものでしょうか。長閑 さと滑稽味のある良句です。 ・・・・・・・・・・・・・・・ 並選(法被衣選)のどかな春景色の中、茶をすするおちょぼ口が絶妙な 描写です。
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春風の土手に命やあふれたり【法被衣】 |
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並選(祥雲選)土筆などの命が溢れている景でしょうか。大いに共感 できる良句です。 |
四月句会が終わりホッと一息ですね。今月は祥雲さんが満点句でした。おめでとうございます。兼題のお願いは、前ページにも載せてありますが、各人一題、よろしくお願いします。コメント欄かメールで送ってください。お待ちしております。
5月の投稿締め切りは5月25日です。
次回兼題
祥雲さん (万緑)
丑郎さん (柏餅)
法被衣さん (初鰹)
あらまち一駒さん (柿若葉)
歌子 (当季雑詠)