⑩法被衣さん選【1.12.13.8.23.46】
いよいよ9月を迎えてしまいます。
今年は大変な事が起こりましたが残すところ後1/3。
まだまだ暑いですが秋の気配は確実に感じられます。
それでは8月分選句選評です。
1 母を待つ幼児あやす残暑かな
もうすぐお母さん帰って来るからねえ、と。
子供はやはりお母さんなんでしょうか。
父を待つ、のは給料日だけ???
12 虫喰いの野菜を捨てて残暑かな
まだまだむっとするような気配が虫食いの野菜という言葉
と重なります。
13 押印の横に向いたる残暑かな
郵便での残暑見舞い、ネットの時代では貴重かも知れません。
消印の・・・ではどうなんでしょうか。
8 東京の残暑かきわけ家路かな
帰省からの戻りの光景でしょうか。
日常の通勤でしょうか。
東京の残暑はどこか粘っこいようで、「かきわけ」が言い得て妙です。
23 後を見ず駅舎を出れば赤蜻蛉
後を見ない理由はなんでしょう?
悲しい別れ?見送り?けんか別れ?
赤蜻蛉は気持ちを癒してくれたのでしょうか。
46 盆の月人立つてゐる駅の端
月の光だけの駅舎、よ~くみると人が立っている。
一人で月見でしょうか。
どこか幻想的な光景です。
その他気になった句
20 年輪を刻む切り株赤とんぼ
20 年輪を刻む切り株赤とんぼ
恐らく切り株=年輪と連想されると思うのでさっそく盗作しちゃいます。
時刻む大切り株や赤とんぼ
42 ポップコーン降りるしかない観覧車
観覧車は乗り継ぎができませんものね、ユーモラスな光景を句にされたと思います。
情景盗作
観覧車菓子残りてや降り支度
焼かれをりと津軽焼きが重なっているようにも感じました。
津軽焼きが登り窯なのか不明ですが、さっそく盗作
48 稲雀相撲部屋真似朝稽古
これはj次郎さん?
飛鳥時代の俳句(平仮名が生まれる以前)はこんな感じだったのでしょうか。
またまた面白い試みです。
今年のこの時期にしか詠めない句ですね。
未だ収束のめどが立たない原発、不安です。
わずか17文字の中に言葉がだぶるのはとてももったいないと思う今日この頃。
想像をかきたてる言葉探しの道を迷い歩いております。
今回も臆面もなく盗作三昧させていただきましたがご容赦のほど。
これを人はヒッチハイク(筆致俳句)というのでしょうか・・・(笑)
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●法被衣さんの作品
4 日に照りて残暑見舞いのまぶしさや 【法被衣】