顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

つだみつぐさん選

●つだみつぐさん選【4,10,15,27】

4 あめつちの愛をぎゅうっと葡萄かな
言われてみるとそんな気がする、というのが、すぐれた
表現だと思います。
こんな風に葡萄のことを表現されると思わず、そうだね、
って。
「そんなの、サクランボだって、きゅうりだって、いい
じゃん。」と反論されると、やっぱり、そうだね、って
思うけど、でも、仕方ないでしょ。なぜか、納得しちゃ
ったんだから。たぶん、きっと、「ぎゅうっと」の言葉
にくらっと来ちゃったんだ。
 

10 一房の葡萄の重さ持ち帰る

上の句が官能的なのに比べて、この句はすこし思弁的ですね。
でも、やっぱり、「重さ」だって、手のひらに伝わる感触で
すね。いろんなものが詰まっていることを手のひらで感じて
いるんですね。
なんか、葡萄って、トクしていません?
 

15 父母の墓訪ふて色なき風と会ひ

「色なき風」がわからなかったので歳時記でひいてみました。
「秋の色は五行説によると白なので、秋の風を素風・色なき
風ともいう。」とありました。
青春・朱夏・白秋・玄冬という、あれですね。
でも、わたしがこの句を選んだのは、こうした知識を得るより
前でした。「死んだ人のことを想うとき、わたしのこころは、
透明になる」という意味にわたしは受け取ったのです。不思議
な誤読ですね。誤読なのかしら。
少なくとも、この句の場合は「秋の風」や「秋風」では成立し
なかったような気が・・・
 

27 手のひらの新米少し零しけり

「どうしてこの句を?」と聞かれると、よくわからない。
お米が手のひらからこぼれているだけだし。なにも目新しい
ことも面白いことも起きていない。斬新な表現もない。
たぶん、「切り取り方」なのかな。写真でいう、「トリミング」
みたいな。何を捨てて、何を残すか。どこにスポットライトを
当てるか。
ところで、新米って、気のせいだけど、光っているような感じが
あるでしょ。こぼれても光っているんじゃないかな。
 
 
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★ つだみつぐさんの作品
8.もう寝るねぶどう一房冷えてます  【つだみつぐ】
19.秋風や君の背中は遠すぎて     【つだみつぐ】
30.トラクターのエンジン切れば渡り鳥 【つだみつぐ】