顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

法被衣さん選

●法被衣さん選

毎度お世話になっております。
もうすぐ10月!いやはやであります。
今回は可能な限り余計な一言添えてみました。
 
 
法被衣さん選句【30、24、7、1】
 
30 トラクターのエンジン切れば渡り鳥
お昼休みでしょうか、今までトラクターの音にまみれて
畑仕事に夢中だったのが突然訪れた静寂の中、渡り鳥の
姿か声に気がつかされる、そんな対比がすばらしいと思
いました。
 
24 名月や浪に残りし松ひとつ
 
あれだけの津波に残った浜辺の松。
生きるという象徴ですね。
放射能汚染がという事で被災した松を燃やすのを中止したり、
被災地で作られた花火の打ち上げを取り止めたり、人間は
澄んだ月のようにはいきません。
 

7 葡萄皿一つ多めに蔭の善
 
留守の人は葡萄が好物なのでしょうか。
日本人の細やかな心がしっとり表現されていると思います。
 
 

1 一房を幼児ほしがリ葡萄狩
 
家族で葡萄狩りでしょうか。
小さい子は背も届かないので抱っこしてあげているほほえ
ましい光景が目に浮かびます。言葉にした時どう響くかを
考えて盗作してみました。

一房を幼児ほしがるぶどう棚
 
 

惜しくも選外となってしまった句
 
6 葉をくわれがんばる葡萄たわわなり
 
秋を迎えるまでの数々の試練、葡萄に対するやさしいまなざし。
 
 
その他気になった句
 
2 小葡萄や昔ながらと種を吐く
 
今や種無し葡萄が当たり前になりました。
 
3 透き通る緑の葡萄飽かず見て
 
これは木になっている葡萄を見ているのでしょうか。

4 あめつちの愛をぎゅうっと葡萄かな
だから葡萄はおいしいんでしょうね。
 
 
5 ひとつぶの葡萄にも喜怒哀楽も
 
葡萄が口に入るまでいろいろな事があった・・・。

啓発句
 
ひとつぶの傷の葡萄も生きており
 

8 もう寝るねぶどう一房冷えてます
 
遅くまでお仕事ご苦労様。
実は飲み会で遅くなってるとか・・・。
 

9 山葡萄にわか杜氏がしぼりおり
 
おいしいワインができますでしょうか。
 
 
11 葡萄食む聖書の一語書きし後
 
どんな一語だったのでしょう?
 
 
12 秋の風山の匂いを身にまとい
 
秋の山の匂いはどんな匂い?
 
 
13 滝愛でる人の絶えたり秋の風
 
観光客が途絶えた滝もいいものかも知れません。
 
さびしいようなうれしいような。
 
 
14 暮れ六つの鐘しみじみと秋の風 
 
「しみじみ」はへたをすると説明的になってし
 
まうような気がします。
 

そこで盗作
 
暮れ六つの鐘しみわたる秋の風
 
 
15 父母の墓訪ふて色なき風と会ひ
 
風はもともと色がないので色をつけちゃった
らどうでしょう。

父母の墓訪ふて黄金の秋の風
 

16 ごみ箱のビニール傘や秋の風
 
台風一過壊れて打ち捨てられた傘をあちこちで
見かけました。
ごみ箱のだとそのままの情景を詠んでいる印象に
なってしまうのかも。
ごみ箱にビニール傘や秋の風
にすると捨てた人やなぜ捨てられたかの広がりが
出るやもしれません。
 

17 廊走り渡る四角い秋の風
 
四角い秋の風と言う表現がおもしろいと思います。
  

18 空部屋で漏らす溜息秋の風 
 
どうして空き部屋になってしまったのでしょう。 
 
 
19 秋風や君の背中は遠すぎて
 
君は誰でしょう?恋人、子供、つれあい。
散歩の光景でしょうか。 
 
20 黄金を無事刈り終えて秋の風
 
安堵感と心地よい疲労感が伝わってくるようです。

 
22 秋風や漢は黙って家を出る
 
何か重大な事があったのでしょうか。
 
 
23 一望に実りを包む秋の星
 
一望に実りを包む秋の空
 
秋の星実りを見つめ瞬きぬ 
 
 
25 泣き笑う影をしるくぞ月昇る
 
人の哀楽と大自然の対比。
すみません、しるくぞという表現が妥当なのか
わかりません。

 
26 どしゃぶりの雨の途切れに秋の風
 
季語を詠んでしまった感じです。

 
27 手のひらの新米少し零しけり
 
こぼしたのはどういう状況だったのでしょう。
 
啓発句
 
手で移す新米少し零れけり

 
28 プレハブの現場事務所に虫時雨
 
味気ない現場事務所にも風流な秋が公平に訪れ
ているのでしょうか。

 
29 あき部屋の窓にやんわり月灯り
 
どうも秋は澄んでいるという既成概念が働い
てしまうのでやんわりという表現がひっかかりました。 

31 酔芙蓉今夜の肴迷いおり
 
もう熱燗でもよさそうです。
 
 
33 りんご熟れる罪を犯して子の二人
 
二人の子はアダムとイブ?
見つかると失林檎園でしょうか。
りんご熟れ で切った方がわかりやすいのでは?
 
 

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★法被衣さんの作品

10.一房の葡萄の重さ持ち帰る 【法被衣】
 
21.猫寝入る静の至福や秋の風 【法被衣】
 
32.秋の夜や眼鏡を捜す家人かな 【法被衣】