顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

歌子選

●歌子選 (11,17、24、30)
 
11 葡萄食む聖書の一語書きし後      
 
   「私はぶどうの木で、あなた方は枝です
 人が私にとどまり、私もその人の中に
 とどまっているなら、そういう人は多くの
 実を結びます。ヨハネ15章5節」
 今回の葡萄のお題をみたとき、聖書のこの個所を
 思った。作者ももしかしたら、その言葉を
 かきとめた後に、葡萄の実を感慨深く 食べたの
 ではないだろうか。
 
 
17 廊走り渡る四角い秋の風   
  
   何もない建物のなかを吹き抜ける風に作者は感動
   したのだろう。四角いかぜというとらえ方が、
   面白い。
 
 
24 名月や浪に残りし松ひとつ 
 
   名月に松といえば、つきすぎのようだがこの松はきっと、
   あの大津波でたった一本だけ残った陸前高田の松の木
   なのだ。あの大津波で奇跡的に一本だけ生き残り、
   希望の松と呼ばれて、被災した人たちの、希望のシンボル
   みたいな存在。その木を思うだけで、希望が湧く。
  
 
  
30 トラクターのエンジン切れば渡り鳥  
 
  エンジンの音がとまり、静寂に包まれると
  広大な畑の中に一人ポツンといる寂寞感と孤独感。 
  空を飛ぶ渡り鳥は、作者自身の内面を表しているのかも。
 
 

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★歌子の作品
 
4.あめつちの愛をぎゅうっと葡萄かな   【歌子】
15.父母の墓訪うて色なき風と会ひ    【歌子】
26.どしゃぶりの雨の途切れに秋の風  【歌子】