1 幼子の抱えて覗くうすごおり
2 薄氷をパキと割る子の笑顔かな
3 薄氷虜となれり大気かな
4 奈落まで覚悟決めしや薄氷
5 娘との誤解は解けぬ薄氷
6 薄氷の古道さざめく山おろし
7 冬の虹電車待つ間に生れ出づ
8 薄氷を踏まずにまたぐ通学路
9 にぎやかに薄氷踏んでいく児童
10 贋作の神話晒され冬の虹
11 床起きて日記に綴る冬の虹
12 暮れなずむ空に希望の冬の虹
13 異国の夜月にぐるりの冬の虹
14 子の仕事決まり恵法へ冬の虹
15 薄らと良き日に掛る冬の虹
16 冬の虹きらめくダスト深呼吸
17 靴底にピシと応えし薄氷
18 麦追肥終えて一服冬の虹
19 冬の虹なまりの空にみつけたり
20 薄氷や瓦礫の山に罪はなき
21 まあだかなぽっけの中に春の音
22 早春の賦を口ずさむ水辺かな
23 空港は春とて季語のるつぼかな
24 友の癖ひとつ見つけし春の旅
25 鶯や啼き声遥か口真似る
26 水仙やこの一年を語り継ぐ
27 春めきて人やはらかにすれ違ふ
28 春浅き代理参りの愛宕山
29 春が来るのらりくらりは仕舞い込む
30 寒厨明治をんなの形見着て
第51回 投句作品が揃いました。 今回は30句と少なめですが、
29日までに5句選で、よろしくお願いいたします。
選句した番号だけでも結構ですが、選句感想ひとこと、
あるいはこうしたほうがもっとよいのではないかとか
なんでもご自由に書いて、29日までに、karakoro575@yahoo.co.jp
まで送ってください。
