⑦法被衣さん選【12、14、11、20、3】
12 だおだおと蕗を背負うて母来たる
蕗の大きな葉っぱがゆさゆさ揺れている様子が見事に描写されています。
また日焼けした母のやさしさも感じられます。
単に見知らぬ女性と道ですれ違ったのか、家に母がたずねて来たのか・・・。
14 蕗を剥く手は疎かに古新聞
作業そっちのけで古新聞を読みふけってしまう事ってありますね。
日常の一瞬を捉えた面白い句だと思います。
11 蕗の葉の面を作りて子ら遊ぶ
とても面白い光景を詠んでいると思いました。
情景描写に終わっている感があるような気がしたのでさっそく盗作
蕗の葉の面被りたる子らの声
20 腰曲げて草取る傍で芋の露
写真でいうところのマクロ撮影のような近景の描写がとても面白いと思いました。
露の宝石のような輝き、こぼれおちて作業の腕を濡らしてみたり。
3 白玉を口に含んで愚痴一つ
愚痴は誰に向かっているのでしょう。
母娘の母としてのこごと?
それとも行儀の悪い子に?
気が利かない旦那様?
苛立たしい政治に?
いろいろ想像できる句です。
実際は口の中に白玉が入っているとことばにならないかも・・・。
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法被衣さんの作品
7 白玉を数えて分ける三時かな【法被衣】
17 曇天を支えし蕗の広葉かな【法被衣】
27 純白の紫陽花嫁入り衣装かな【法被衣】