1蒔き切りのキンキンと鳴る残暑かな
2工夫らの残暑に負けぬドリル音
3妻と見る山岳小屋の銀河かな
4天の川櫂の雫は肩濡らし
5残暑かな食欲のない二ゴロ鮒
6足の甲鼻緒の跡の残暑かな
7肉体に働く重さ残暑かな
8砂のまま残暑の海に飛び込みぬ
9国境といふなぞなぞ解けず銀河澄む
10友逝きて身近となりし天の川
11鈍行の車窓に落ちる銀河かな
12天の川見えて普通とあらまほし
13むずかれる孫の子守の残暑かな
14江戸といふ坂多き街残暑かな
15切り株に腰かけ仰ぐ天の川
16浜辺にて人声遠し天の川
17向日葵の夜は思考を地下に埋め
18南無阿弥と十偏唱ふ白桔梗
19地蔵盆孫の前髪切り揃ふ
20鉢巻きを外し一気にとろろ汁
21顧みて尽くせしかやとつくつくし
22血族は少なきがよし盂蘭盆会
23読経より気になる菓子の地蔵盆
24演奏の合間にすだく秋の蝉
8月の投稿作品を掲載します。暑い中、お忙しい中、作品をありがとうございました。
選句は4句としますので、作品の番号と 感想をそえて下記あてお送りください。