●歌子選 【３，１８．３０．５０．５４．】
３．クリスマスやさしき心樹に吊るす
優しき心樹にに吊るす・・・
クリスマスカードでしょうか。それとも家族への贈り物でしょうか。
いずれにしても優しい気持ちを贈りあう
ひとがいるほのぼのとした優しい空気が
つたわってきます。
１８．還暦を過ぎて一人のクリスマス
連れあいも、子供もいてにぎやな日々もあったのに
還暦をすぎたいま、子供たちもおらずつれあいも家
にいない。
ひとりなのは、何かの事情で家族ばらばらの生活の
せいなのだろうか。
巷の楽しい行事が、ひとりでいる寂しさを一層増さ
せる。
金管楽器にうつる年末のあわただしく賑々しい
商店街の様子・・・これは、テレビで見かける
募金の様子なのか、それとも年末の売り出しの様子
なのかな。それをみつめている好奇心旺盛な作者の
様子が目に浮かんできました。ところで、金管楽器には
鏡のようにうつるんでしょうか、それともさかさまに？
５０．中州まで飛びつつ石のゆきうさぎ
石投げの石が飛んでいく様子って、ほんとに、生き物の
ようにみえますよね。うさぎ、うん、ぴったりだなあ
って思いました。
５４．分校の勢子に追われて雪うさぎ
ここの雪うさぎとは、雪原をかけていくうさぎのことでしょうね。
昔,従弟が、私にうさぎをつかまえてあげるといって、雪野原に
仕掛けをして、雪のなかでうさぎの出現をまっていた遠い日のこ
とを思い出しました。『うさぎ、おいしかのやま～～～～』
とおい日の懐かしい情景と、歌が思い出されました。
● 歌子の作品
拾い犬らぶと名づけし聖夜かな 【 歌子 】
行灯に降りしきる雪キャロリング 【 歌子 】
弾けたる笑みの赤子やクリスマス 【 歌子 】
かねのなる木に五円玉年の暮れ 【 歌子 】
