顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

萍漂子選 (第26回)

●萍漂子選 【9.18.27.49.56.】


第25回 5句 選句・感想

9.新年や猫に貸したる腕枕     【萍漂子】

【感想】

 ほのぼのとした風景。

 主人にも、にゃん子にも、何ごとも起きない静かな正月

 が眼に浮かびます。

 お屠蘇とおせちを頂いて、座敷きの炬燵でごろり。




18.初夢や枕の下にしのばせる   【萍漂子】

【感想】

 一富士、二鷹、三ナスビの絵を描いた紙を枕の下に忍ばせ

 たのでしょうか?

 聞いたことはありますが、まだ見たことはありません。

 土地によってさまざまなものがあるようですが、初夢に新

 しい年を占う気持ちは誰も同じ。庶民の希いです。




27.初夢を覚えてなくて二度寝する 【萍漂子】

【感想】

 子どもの頃、私にも一度そんなことがあったと思います。

 夢を忘れてしまったり、獏に喰われたり、初夢は事故が

 多いのかも知れません。

 その結果はどうなったのか、聞いてみたいものです。




49.門松を背にトラ猫のおおあくび 【萍漂子】

【感想】

 私が猫好きだからでしょうか、ついコミカルで可愛らしい

 仕種が眼に浮かびます。

 なんといってもトラ年の正月の風景にぴったり。

 「おおあくび」がとても効果的。勉強させて頂きました。




56.爺さんに恋愛吉と初みくじ   【萍漂子】

【感想】

 お年寄りには無縁。とんでもないことと決めつける世間。

 恋愛ごとに年齢はありません。

 ドキドキするのは心臓病か高血圧と言った漫談師がいましたね。


 

==以下は、想像をかき立てられ、気になった句です。======


16.初夢の何と問われて口惜しき  【萍漂子】

【感想】

 忘れてしまったのでしょうか。それとも、現ではあり得ないことが

 夢の中で起きた

 のでしょうか。想像がどんどん広がってしまいました。




30.子の荷物そっと支えて春を待つ 【萍漂子】

【感想】

 厳しい冬の季節もいつかは巡り、春は必ずやってきます。

 それを信じるところに小さな春が始まっているのかも知れません。




34.なりゆきにまかす人生春を待つ 【萍漂子】

【感想】

 私の生き方を句にされたような気持ちになりました。

 堅実に、計画的に生きる人生が不似合いで、馴染めない

 でも、「春を待つ」から、決して投げやりではない生き方を感じます。




35.春待つや一本釣りの鰹船    【萍漂子】

【感想】

 かつを、早く食べたいですね。

 早春、初夏を思わせる陽光、凪いだ海と港が眼に浮かびますが、実際

 はどうだったのでしょうか。
 





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●萍漂子の作品

10.新年につくづく見れば古女房  【萍漂子】

14.新年の喜びもなし餅ひとつ   【萍漂子】

24.初夢に佳きこと託す老夫婦   【萍漂子】

26.暗き世の悪夢を祓え初夢に   【萍漂子】


37.鬱の君春待つ亀も土の中    【萍漂子】

40.空見上げ春待つ子らは任天堂  【萍漂子】

51.賀状の絵虎のつもりが狗となる 【萍漂子】

53.なれぬ屠蘇盃重ねトラとなり  【萍漂子】