顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

萍漂子選&作品 (27回)

萍漂子選 【14.23.28.31.60.】

 14.蓑を着て雀の遊ぶ二月かな

【感想】

    私も雀を意識しました。
    
    つい「ふくら雀」を持ち出したくなりますが、「蓑」を

    お使いになった感性を素晴らしいと思いました。



 23.剪定の後継ぎ出来てはかどりし

【感想】

    りんご農家の話ですが、翌年、納得できる収穫は「剪定」に

    かかっているようです。

    その大切な役割を担ってくれる次の世代が現れたことは人ご

    とならず、大変嬉しいことです。



 28.剪定をまぬかれた木々ほくそえむ

【感想】

    剪定される樹木はどのような木だったのでしょうか。

    剪定する側とされる側…。

    見落としたのか、はたまた、これでよしとしたのか?
    
    しかし、作者は剪定される側の視座で、「ほくそえむ」気持ち

    ちをご自身の心情と重ね合わせたのではないかと推察します。

    とても思いがめぐる句だと思いました。



 31.散髪と剪定終えて首撫でる

【感想】

    作者のいさぎよい人生観を感じます。

    都会では、剪定がすんだ樹木の姿は実にみすぼらしく、また、

    季節がら寒々しく目に映ります。

    この季節、ご自分の髪も刈り上げ、サッパリした気持ちよさ

    と同時に首筋の寒さを感じたのでしょう。

    いずれも、春へ向かうプレリュードであることには違いありません。



 60.空寒し春の匂いの乙女行く

【感想】

    「乙女の春の匂い」がどのような匂いなのか、ぜひ、体験したいと

     思います。

     しかし、これが芳しいものなのか、はたまた、そうではないのか

     は判りません。

     ただ、「春の匂いの乙女」には、このことば自体にとても文学的

     な匂いを感じます。

     この乙女の来し方、行く末にストーリーが生まれるのではないで

     しょうか。大好きな作品です。






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●萍漂子 (ひょうひょうし)の作品


9.二人して歩く野面は春淡し      【萍漂子】

17.鴉二羽春めく風にたわむれて    【萍漂子】

19.二月尽雪もなければ下駄もなし   【萍漂子】

29.剪定の鋏の音や唄う亡父      【萍漂子】

38.剪定に迷い手を止め上着脱ぐ    【萍漂子】

46.豆撒きの町に流るる声ひとつ    【萍漂子】

49.豆撒きの塩をまくごと相撲取り   【萍漂子】

51.鬼母神豆撒き安堵鬼は内      【萍漂子】

59.街路樹をあわれと思え強剪定    【萍漂子】