顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

萍漂子さん選 第36回

●萍漂子選 【 8,11,16,19,27,29 】
     気になってしまった句…【 35 】
 
8 小春日やいつかうたた寝針仕事
  <感想>
  母方の祖母は、火鉢の側でいつも、うたた寝していました。
11 新聞と午睡におちる小春かな
 <感想>
 これも、祖母が鼻眼鏡をかけ、炬燵でやっていました。
16 縄文の裔とうそぶき栗を食む
 <感想>
 ドングリを食べていた縄文人には、灰汁抜きをしなくて食せる栗はご馳走だっ
たに
違いありません。
19 栗のしぶ剥がす手捌き枯れた指
 最近、地域の先輩の女性が栗おこわを作って、ご馳走してくださいました。
 しぶを丁寧に取り除いた栗の美味なること。その方のお人柄、そのものでした
。こ
の枯れた指の方に想いが広がりました。
27 炊きすぎてひとりに余る栗ごはん
 おそらく、実体験にもとづく句ではないかと想像します。
 飯茶碗二杯分の栗ごはんをつくることは困難です。
 手間をかけたことと、食べてくれる人のいない寂しさに共感しました。
29 毬栗や笑顔で彼は人を刺し
 木から落ちて毬の割れた姿は「笑顔」。
 栗も毬でその遺伝子をつないできたのでしょう。
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35 胸の奥ひそかに抱いた柘榴の実
 魅力的な句だと思いました。
 理由は判りません。が、
 「胸の奥」と「柘榴」との連関にあることだけは確かです。
 以上、感想を述べさせていただきました。
 失礼や思い違いがあればどうぞお許し下さい。
 
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●萍漂子さんの作品
 
小春日のクヌギ林を逍遙し    【萍漂子】
履き慣れぬ長靴で剥く栗の毬   【萍漂子】
子狸は化けそこなって昼の町   【萍漂子】