顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

歌子選 第44回

①歌子選 【11.16.19.23.30.39】
 
   
 
11 歩み来て万ほどのキス滝しぶき 
   
  滝を眺めているときに、不意にキスを浴びせられている
 
  情景でしょうか、あるいは相手は人間ではなく、滝そのもの
 
  を恋人に見立てたのでしょうか。「万ほどのキス」に、
 
  一瞬、くらくらするようなクリムトの「接吻」の絵を思い出しました。
 
 
16 荷車で西瓜二玉届きけり  
    
  遠い日の懐かしい情景が目に浮かびました。
 
  自転車で・・でも案外面白いかもしれないですが
 
  『荷車』にやられたーーーっていう感じです。
 
 
 
19 熱風もさらりとなます夾竹桃 
 
  なます・・ってなんだろうと、思いつつ
 
  「熱風もさらりとなます」の言葉のリズムに妙に惹かれました。
 
  たべるなます?いや、きっと、「なます」って滅多打ちにする
 
  っていう意味もあるから、滅多打ちにじゃなくて、さらっと
 
  やり過ごしている夾竹桃・・っていうことでしょうか。
 
  「も」・・だと、焦点がすこし散漫になるので「を」と限った
 
  ほうがよいように思うのですがどうでしょうか。  
 
  

23 夏草の刈りて巣の蜂向かふなり   

    夏草を刈っているときに、蜂の巣も一緒に刈ってしまい
 
    わ~^大変、蜂が向かい来る様子が目に浮かびます。
 
    声を出して読んでみると、何かリズミカルにいかない。
 
    突っかかるようで、テンポが悪いので、素直に 
   
    夏草を刈りて巣の蜂向かい来る  はどうでしょうか。
    
    

30 かぜなみにただようくらげのにほんかい
 
     「風波に漂う海月」の表現に惹かれました。
 
     日本海まで持ってくると、説明っぽい感じと
 
     盛りだくさんで、くどくなってしまうので、
 
     風波に漂ふている海月かな  ではどうでしょうか
 
    
  
39 沈みゆく海月蒼さに溶けてゆき    
 
    蒼さにとけていく、という表現に、惹かれました。
 
    クリスチャンラッセンの美しい青い色遣いが髣髴と
 
    してきました。
    
   
♪♪・・・・♪・・・・・♪♪・・・・♪・・・・・・♪・・・・・・・♪……♪・♪・・・・・・・♪……♪
 
 
歌子の作品
 
悩みなど無しや海月の舞ひ軽し 【歌子】
 
水玉の花となりきり舞ふ海月   【歌子】
 
大滝の知も情もなく轟けり     【歌子】