① 祥雲さん選【7、17、25、29、33、43】
7 帯きゅっと着物で通す残暑かな
残暑に対峙する凛とした気構えを感じさせる句で、
作者の美しい心身が覗えます。
17 赤とんぼ地蔵は頭貸しおりて
地蔵の頭にちょこんと止まった赤とんぼの景が彷彿とし
赤とんぼと地蔵が会話しているような愛情溢れる句です。
25 赤とんぼ風と遊んで宙返り
いわさきちひろの童画の世界を見るようです。
「風と遊んで」が効いている夢のある句で、好きです。
29 撫子や君はふわりと微笑んで
撫子を擬人化した観察の細やかな句で、撫子の特徴を
実によく捉えています。
「ふわりと微笑んで」が効いています。
33 なでしこやあの日の母が居るような
撫子の優しい風情に母を感じた句でしょうか。
「あの日の母が」に作者のしみじみとした感慨を感じます。
感じている作者の心情が覗えます。
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●祥雲さんの作品
1 母を待つ幼児あやす残暑かな [祥雲]
14 夕映えを浴びて家路や赤とんぼ [祥雲]
31 撫子のおごらぬ影や風通る [祥雲]
40 人の世のえにししみじみ桃啜る [祥雲]