風葉さん選 【4、7、10、31】
4 寒月や遠くて近き放射能
寒月の寒々しさ、遠くのことのようで近い問題です。
この事故の問題が何年も尾を引くことになります。
月もまたその対応を見ているのです。
難しいと思っていました原発の句がすべて素敵です。
時代を記録する俳句があってもいい。
7 息白く母たちの旗反原発
女性が頑張っています。命を守ると云う本能的な使命
があるのでしょうか。
男どももしっかりしてください。季語との取り合わせ
がいい。
10 原発の竜骨無残冬ざるる
あの建屋のボロボロさと冬ざるる
ぴったりした季節感と事故収束が見えない
現状の苛立ちを句にしています。
31 外套に孤独を包む家路かな
少しかっこよすぎるが 選しました。
仕事わ終えたのか、暖簾を後にしたのか
男の寂しさが伝わります。
その他気になった句
4 原発や雪の便りの重さかな
「や」と「かな」の切れが二度入っていまして
残念です。
これでもいいかも知れませんね。
原発事故雪の便りの重さかな ではどうかな ナンテ
5 紅葉の原発地区や人恋し
紅葉を擬人化しているのでしょうが やや解りにくい。
人恋ふて原発被害地紅葉散る ではナンテ
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風葉さんの作品
3 原発記事未だ一面冬に入る 【風葉】
15 ご主人の酔ひ気にし居るコートかな 【風葉】
27 新居地も老いし人増え落葉踏む 【風葉】