番号 作品
1 若葉雨微かに柳の風揺るる
2 黄の帽子駆け寄ってくる若葉風
3 若葉冷歩いて丁度良しの道
4 双翼をつけて飛ばばや若葉風
5 畔塗りの水田に映える若葉かな
6 精霊の息吹満ちたる若葉かな
7 エネルギー満たし明日への若葉かな
8 ペダル踏む若葉の陰を映させて
9 水滴の揺れて留まる若葉かな
10 嬰児の拳が泳ぐ若葉風
11 寄居虫や波にたわむる子等の声
12 殻ひとつ脱げば大器に寄居虫かな (寄居虫→ごうなとも読みます)
13 寄居虫の売場にたむろする子犬
14 もぞもぞとやどかり宿を移りけり
15 やどかりやバケツをこする寝つけなや
16 離婚話口裏合はす寄居虫かな (寄居虫→ごうなとも読みます)
17 寄居虫の遠き思い出運び来る
18 ヤドカリの終の棲家の知らぬけり
19 宿借りの現場渡って巡る四季
20 ヤドカリや身の丈ほどの影連れて
21 一人来て見渡す限り桜草
22 さくらそう朝の祈りの傍らに
23 さくらそう踏まぬ様にと立ち止まる
24 銀輪を止めて一服さくら草
25 地植えして二倍華やぐさくらそう
26 桜草名人だけが天仰ぐ
27 単線の笑顔運ぶやさくらそう
28 濁りたる生を余して桜草
29 このへんに座って話そうサクラソウ
30 幸せの歩幅小さき さくら草