第９２回 ２７年７月と選句と作者

　　　牛　法　歌

1 　冥福を祈る背中や蝉時雨 　　　【祥雲】

　　　し

2　南国の蝉響かせる金属音　　　【法被衣】

        祥 
3 　何億年前も同じか蝉しぐれ 　　【しらぶる】

　　　歌

4 　蝉の声名前忘れし認知母 　　　【牛朗】

5 　文学碑早半世紀蝉山河　　　　　【風葉】

　　　し 
6 　蝉時雨打ち消すやうに救急車 　　【羽林】

　　　葉

7 　生れました我はここにと蝉なけり 【歌子】

8　蜜豆や笑顔の戻る母と嫁 　　　　【祥雲】

　　　葉

9 　みつ豆の透き通りたる甘さかな 　【法被衣】

　　　祥　牛

10 　みつ豆はデートの主役神田川 　【しらぶる】

　　　祥

11 　みつ豆に思いを乗せる初デート 　【牛朗】

　　　祥　法

12　あん蜜や人の間にある長さ 　　　【風葉】

　   　牛

13 　蜜豆や話たきこと山ほどに 　　　【羽林】

　　　し　葉

14 　おしゃべりのとぎれ蜜豆かき回す 【歌子】　

　　　し

15 　青桐や折鶴かずく乙女の碑 　　【祥雲】

16 　飛行機の窓に平らな雲の峰 　　【法被衣】

　　　法　歌

17 　草刈れば釣り師現る浅瀬かな 　【しらぶる】

18 　不吉にも病葉多し今朝の庭 　　【牛朗】

　　　歌

19 　蛍火や逢瀬はいつも川の端 　　【風葉】

　　　牛　法

20 　敗戦の投手に容赦なき炎天 　　【羽林】　

　　　葉

21 　皺の貌じっと覗かれ薄暑かな　　【歌子】

掲載の仕方が二転三転して申し訳ありませんが、ここに選句と感想（選評）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　をまとめましたので、こちらのほうでコメントのやりとりができればと思います。