★ 法被衣選
2 縁日や金魚すくいで仲直り
仲たがいしていたのが小さな兄弟なのか、いい大人なのか、ちょっとわかりませんが縁日の
裸電球の下で声をあげながら金魚を追う姿がほほえましいです。
3 栗の花実が生る頃は新天地
嫁いで行くのでしょうか、転勤でしょうか、おおいなる希望といくばくかの不安を
感じます。
6 金魚鉢ビー玉落とす童かな
子供の好奇心に満ちたきらきら光る瞳が目に浮かびます。
22 藻のあとのかすかに白し鉢しまふ
金魚がいなくなって金魚鉢と一緒に思い出も心にしまうのでしょうか。
26 祝ひ膳目の前にして金魚かな
誕生日、還暦?人生の節目に金魚は変わりなく平然と泳いでいる。
ふと、われに返る瞬間?
27 毛虫だと泣く子の肩に栗の花
恐怖が恐怖を呼ぶ子供の泣き顔と泰然とした親の顔。
子供にとっては災難ですね。
35 還暦の夫やさしかり金魚には
奥様の軽いやきもち、不満。相手が小さな生き物だから、ま、いいか。
次点
39 指をいれ金魚の空を揺らしけり
指をいれ・・・がちょっと生々しく感じました。指先で とかでしたらいただいて
おりました。 茶目っ気のある楽しい句だと思います。
★★ 法被衣さんの句 ★★
8 群れ泳ぐ 金魚は好きな べべを着て
21 出目金や 踊るが如く 水の中
32 栗の花 匂いで見あぐ 木の在りか
41 むせぶよな 山いっぱいに 栗の花
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