★J次郎2選句
7 真昼どき金魚のやうな紅を引く
気だるいのか、この後の展開の期待なのか
想像力を刺激されます
13 栗の花絶対内緒と言われても
誰が何を内緒というのでしょう。
一見、栗の花とは無関係にみえる下二にこれも、想像力を
17 鮮やかに逃げる金魚を追ひかける
縁日の夜店の状況が目に浮かびます
27 毛虫だと泣く子の肩に栗の花 ○
幼い子か女の子の感覚ですね。
うんうん、そういうこともあったなぁ
29 栗の花鼻をつまむ子赤らむ娘
どうしても、この匂いは、下に通じるものがあり それを句にするには(川柳ではなく俳句
として)勇気がいります。さらりと流してるので
35 還暦の夫やさしかり金魚には
上二と下の間の情景の転換がおもしろく 川柳的でもあるのですが
これも上品さをとって
39 指をいれ金魚の空を揺らしけり ◎
こんなことをするのは、小さな男の子か う・た・こ さん
たしかに、水面は金魚の空ですね 視点の変化と、新鮮な言葉に◎
今回も、とても良い句、共感できる句が多く
どれを選ぼうか悩みました(若干五分)
金魚は最近見かけることが少なく、熱帯魚に押され気味です。
連想は、縁日・金魚鉢・思い出に向かってしまうので
そうではない、視点を変えた句を選びたいと思いました。
栗の花は、市街地では見かけることの無い花なので
苦労された方たちが多かったと聞きました
栗の花をたとえば「栃の花」と読み換えても
成立する句を選ばないように、と選句しました。
漏らしてしまった方々には申し訳ありません。
★ 投句外のJ次郎2 作(なぞなぞ)
逆さなる、鉢に貼りつく、金魚かな・・・・・・・風鈴
花嗅いで、眉がこの娘は、すでに熟れ・・・・・・栗の花
★★ J次郎2さんの句 ★★
1 遠く去るきんぎょぉえ金魚っモノクロム
22 藻のあとのかすかに白し鉢しまふ
28 栗の花雨呼び寄せて美濃平野
34 栗花を嗅ぎて深窓仰ぎ見る
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