■法被衣さん
法被衣さん選 【3、5、4、20、25、11】 3 整列し風に真向かう田植かな 整列しているのは植えられた苗か、田植えの人か。 機械化が進み、一列に並んでの田植えの光景は見なくなりました。 風に真向かうがいいですね。 5 植えられて山と向き合ふ田んぼかな 一…
法被衣さん選(10,6,2,28,20,21,) 10 嬰児の拳が泳ぐ若葉風 6 精霊の息吹満ちたる若葉かな 2 黄の帽子駆け寄ってくる若葉風 28 濁りたる生を余して桜草 20 ヤドカリや身の丈ほどの影連れて 21 一人来て見渡す限り桜草 法被衣さんの作品 エ…
法被衣さん選【14、9、19、22、15、24】 14 しんしんと降る雪食べる冬の川 食べるのことばが少々生っぽい感じがしますが 新鮮な着眼点に一票。 9 夢に逢ひ目覚めかなしき冬の川 ことばの流れがとても美しいと感じます。 19 あれやこれ旧句なおして除夜の鐘…
⑥法被衣さん選 【5、21、20、19、18、24】 5 杖にあご乗せて翁の日向ぼこ この景ののんびり感がなんともたまりません。 21 水底に命預けて破れ蓮 冬場の蓮の見えている部分の無惨な姿、 それでも見えない水中に命のエネルギーが眠っている、 鋭…
法被衣さん選【10、22、3、1、19、24】 10 一湾にさざめき零る星月夜 大きな光景。 22 蔦紅葉早々大樹へ陽の光 逆光が美しい蔦紅葉の景でしょうか。 3 浮子にらみ当たり知らせる月揺れる 夜釣りでしょうか、静かな風情。 もう少しことばの整理ができそうな気…
法被衣さん選【7、20、21、10、6、14】 7 鰯雲竿しなめかす太公望 海釣りでしょうか、大きな空としなう釣り竿が目に 浮かんで来ます。 太公望の一言で釣りのシーンを語 るうまさに感心。 20 冬瓜の忘れて車庫の主かな 誰もいない車庫に大きな冬瓜…
法被衣さん選 法被衣選【19、20、21、8、16、25】 19 熊の子の飛び跳ねていく秋の森 小熊の背中が見えるようです。 それにしても動物の世界の母子の愛情、 愛情は人間だけのものではありませんね。 20 コスモスの迷路を駈ける童子かな 子供の背丈より高いコ…
④法被衣さん選【24、25、26、23、3、4】 24 ゼッケンをペダルで揺らし夏の海 自転車レースでしょうか。 凝縮されたことばの中にこれだけ大きな時間と空間と 動きまで表現されていて改めて俳句の世界に魅了されます。 25 やいと跡隠すことなく雲の峰 肌を露出…
法被衣選 (18、16、11、24、7、23) 18 やんわりと揚羽を抱いて合歓の花 やんわりとがいいですねえ。 16 水無月の湖底に眠る村ありて ダムの底に沈んだ村もたくさんあるんでしょうね。 渇水時期にはその姿を現したりのニュースを耳にします。 水無月の湖底…
法被衣さん選(15、29、19、22、28、25) 15 柿の花落花をつつく鶏の影 放し飼いの鶏を見る機会も減りましたが 片足をあげながら盛んに首を動かしている鶏の姿が彷彿としてきます。 29 父の癖まねてラムネを飲む子かな これもかわいい学習ですね。 ほほえま…
法被衣さん選 (32、 19、 7、 1、 5、 13) 32 産声や窓にふうわり春の雪 ふうわり窓の雪がなんともいい感じ。 19 のどけしや胸にくぐもる鳩の声 くぐもるとあの鳩の声がぴったり重なります。 7 写真立て又一つ増え春の星 うれしい写真なのか悲しい写真なの…
法被衣さん選【25、17、7、16、18、13】 25 初恋を青空に投げ卒業す 卒業とともに初恋も卒業。青春のけっこうあっけらかん とした心理をうまく捉えています。 17 十字切るつばめ懺悔の祈りかな つばめは虫という命を糧にする事を懺悔しているの…
⑤法被衣さんの作品 春菊の花の放射の刺身かな 【法被衣】 春泥の珍しくあり大都会 【法被衣】 潮騒や椰子の梢におぼろ月 【法被衣】 法被衣さん選【 25、6、22、9、2、11】 25 丸くなる朝の挨拶水温む 丸くなる、の表現がなんとも絶妙。 6 徘徊の思…
①法被衣さん選【14、5、10、2、23、3】 14 ましろなる障子に隠る孫の影 お孫さん本人は隠れているつもりでもこちらからは丸わかり、 隠るの一言がきいて絶妙。 映る、では平凡になってしまいますね。 5 シャツ一枚ハウス仕事や寒椿 ビニールハウス…
③法被衣さん選 【25、3、2、8、1、17】 25 知らぬ間に聖樹の星の欠片踏む 飾り付けの時のできごとでしょうか。 靴の上からだと嫌な音、裸足の時は嫌な感触。 3 介護室猫のしぐさに笑初 自由気ままに振る舞う猫、片や寝たきり老人。 笑う門には福来る…
⑦法被衣さん選(8.27.6.30.15.14.24) 8 お下がりの服より団栗こぼれ落ち 思い出ぽろり。 27 炉にかざす米寿の母の曲がり指 静かなひととき。 6 どっちかとどんぐり握る児のこぶし こどものキラキラした瞳が目に浮かびます。 こぶしは握る…
⑥法被衣さん選 【17、9、1、23、15、14】 17 襷待つ走者の影や神無月 駅伝の光景でしょうか。 スポーツの秋、季語もつかず離れず絶妙な位置に。 9 夕霧に睫毛濡らして牛帰る 睫毛濡らしてがいいですね。 スリランカでは街の中でも牛が放し飼いで夕…
法被衣さん選 (13、18、23、9、20、22) 13 稲掛の薄暮に沈む父子かな 名画ミレーの晩鐘を見るような感じを受けました。 日の暮れるのが早くなりました。 18 萩あかり五重塔へ続きをり 萩と五重塔がベストマッチング。 いかにも日本的光景です。 23 山の端…
法被衣選さん【18、1、12、11、3、23】 18 原爆忌はだしのゲンを腑に深く 自由閲覧禁止というこわい話もありました。 1 蜩や手酌してをり旅の宿 一人旅でしょうか、時間はたっぷりありますね。 そんな感覚で盗作です。 蜩や手酌に遊ぶ旅の宿 12 夏休み…
法被衣さん選【16、8、2、1、17】 16 ブロ友に見せて頂く月下美人 ブログの交流が当たり前になりました。 季節感もネットから・・・。 8 火祭りの乱舞の後や秋の風 祭りの後、特に激しい火祭の後などは寂しさも一層 感じてしまいますね。 2 茅葺は天然ク…
法被衣さん選 【13、17、16】 13 まず礼を捧げ鮎釣る人のゐて これから鮎を釣らせていただく(鮎の命をいただく)という 命に対する敬虔な気持ちが自然と共に生きる日本人の 姿を表しているようです。 釣果の多さを神に祈っての事とは思いたくあり…
④法被衣選【31、2、6、26、7、3】 31.花びらをこぼし浜風きままなる なんとも情感のこもる句。 ことばも美しいです。 2.賑やかな園児の田植遅々として 情景描写がとても面白い。 遅々として、が言葉的にもっとピッタリくるともっと すばらしい句になり…
法被衣さん選【1,3,4,7,17】 1 夏帽子海の香残し昼寝かな 夏帽子が昼寝している、面白い着眼点だと思います。 3 水浴びる雀あまたや夏は来ぬ 雀たちの水浴び、うれしそう。 4 機械とめいっぷくの畔匂う夏 まさに匂う夏に共感。 7 単線のトロッコ列車…
⑦法被衣さん選 【3、1、27,32、9】 3.釣具屋の入荷ののぼり木の芽風 暖かい陽気の中、のぼりも晴れ晴れとした様子 がうかがえます。 1.オカリナのとぎれとぎれに木の芽風 風に乗って聞こえてくるオカリナの響き、どこで 吹いているのでしょう。 …
④法被衣さん選 【1,7,21,22,3】 1 ねぶりかけしつつ花の句詠んでをり 春の到来をゆったり感じさせる句だと思います。 7 サデ網に右往左往の群れ氷魚 見た事はないのに光景が目に浮かぶ不思議な句です。 サデ網(叉手網)がどいうものか勉強にな…
法被衣さん選【2、23、16、24、4】 2 童去り手袋ひとつ雪まつり 手袋の落とし物、かわいいピンクの色まで見えて来そう。 23 雲水の素足に草鞋日脚伸ぶ 素足に注目したところに作者のうた心を感じます。 16 津軽女の覚悟きっぱり吹雪舞ふ 吹雪舞ふ…
法被衣さん選 【 2、22、21、8,5】 2 冬涛も打たれる巖もあるがまま 冬の海の厳しさ。 それでも人の世の厳しさよりも自然でやさしいのかも知れません。 22 性格を否めて褒めて雪掻きす 雪掻きは北国の生活には欠かせない。 結局人々の協力がなけ…
法被衣さん選 【4、5,17,21】 5 耕して天に至るや櫁柑山 どこかで出会ったような気もする句ですがとても大きい風景と代々の人の営みが見事に表現されていると思います。 17 冬耕を催促するか里鴉 鴉のちょっと人を小馬鹿にするようなしぐさ、鳴き…
⑨●法被衣さん選 (1、2、18、20、32、46) 1 厄落し妻に内緒で過去を焚く どんな秘密なのか、気になります。 厄落し夫に内緒で過去を焚く、よりも単純そうではあります。 2 刺繍裏絡まり合ふや厄落し 表は綺麗に見えても裏は複雑な事情が。 時間経…
今回は皆さんの句にできるだけ一言を添えてみました。 本来は全部にコメントつけたいのですが、そこまで根性ありませんでしたあ。 ごめんなさいです。 ●法被衣選【38、 46、 7、 13、 14】 38.飛び入りのこおろぎそっと部屋の隅 部屋の中に迷い込んだ、迷…