顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

2022年7月句会 作品、選句、感想、作者

        選 句

 

1 戯れる少女の脚や夏の波      【祥雲】

       

2 トンネルを抜ければそこは夏の海  【牛郎】

        法 牛

3 炎昼や氷ひとかけ金魚鉢      【歌子】

   

4 夏の海青い空ただウトウトと    【一駒】

  駒 祥

5 足裏の砂えぐられし夏の海     【法被衣】

6 巴里祭ルーブル無料人の波    【牛郎】   

7 釣人のなりして子らは夏の海    【歌子】

8 巴里祭をダシに呼ぶこむ老女かな  【一駒】

  駒

9 巴里祭平和な街と戦禍の報     【法被衣】 

10 葡萄酒を飲みかつ踊るパリー祭  【祥雲】

   牛 

11 故郷に戻りたし候土用東風    【一駒】

        歌 祥

12炎昼やひもののごとく寝間にゐる  【牛郎】

13すれ違いざまにウインク巴里祭   【歌子】

14 土間の隅犬も腹這う炎昼下    【一駒】

    駒

15 炎昼や散歩の犬の息遣い    【法被衣】

16 釣り上げし魚に一礼土用東風   【歌子】 

   ◎歌

17 苧麻の出来蒟蒻の出来土用東風   【牛郎】         

18 元首相7月8日不覚散る     【一駒】

   ◎駒 ◎祥

19 発電のプロペラ嬉々と土用東風  【法被衣】

   ◎法

20 青東風や草はむ驢馬と山羊の耳 【祥雲】

21 夏菊や母の遺影の笑い顔     【牛郎】

   歌 牛

22 懐かしきトマト臭さにめぐり遭ふ【法被衣】

   法 歌

23 九人で啜るそうめん夏座敷  【祥雲】 

   ◎牛

24 あらあなた左巻きだったのね捻り花 【歌子】

   

25 天仰ぐ蚯蚓の骸(がい)や夏の昼 【祥雲】 

 

  

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選句・感想

 

法被衣選【◎2032325

 

特選

◎20 青東風や草はむ驢馬と山羊の耳 【祥雲】

青空から草原、動物、その動く耳までのズーミングがすばらしい。

 

3 炎昼や氷ひとかけ金魚鉢 【歌子】

さすがに金魚も暑かろう、目線に浮かぶ氷の浮遊感と金魚鉢の透明感。

涼やかに泳ぐ無言の金魚に昔ながらの金魚鉢がお似合いです。

  

23 九人で啜るそうめん夏座敷 【祥雲】

帰省でしょうか、日本家屋の広い座敷でそうめん、日本ならではのいい光景です。

 

25 天仰ぐ蚯蚓の骸(がい)や夏の昼 【祥雲】

ミミズを蚯蚓と書く事を知りました。

作者の観察眼に脱帽。

 

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歌子選  【◎17,12,22,23】

特選

◎17 苧麻の出来蒟蒻の出来土用東風     【牛郎】 

苧麻の出来具合はどうか蒟蒻の出来具合はどうか 素晴らしい出来に違いな

い、そんな感じが、季語とかみ合って伝わってきます。

 

並選

12 炎昼やひもののごとく寝間にゐる 【牛郎】

干物とはあまり言い得ていてつい吹き出しました。

   

22 懐かしきトマト臭さにめぐり遭ふ 【法被衣】

最近のトマトは、品種も多く昔見たこともないような珍しい形をしたトマトが多 

いものの、味がだるくてこれぞトマトというものに出会わないのですが、昔のト  

マトは、酸っぱくて青臭くておいしかったです。あのおいしさ、味、香りが伝わ

ってくるようです。

 

23 九人で啜るそうめん夏座敷 【祥雲】

遠くに離れている子供家族が、実家にあつまって、そろって昼のそうめんを食べている景でしょうか。こんな風に家族がにぎやかに集まることが何の不思議もなかった平和な日々が無性に懐かしく恋しく思われます。

 

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あらまち一駒選【◎19、5,9,15,】

 

特選 

◎19 発電のプロペラ嬉々と土用東風 【法被衣】
風力発電の風景が浮かびます。

 

並選

5 足裏の砂えぐられし夏の海  【法被衣】

夏の砂浜を素足で歩いたら熱くて熱くてが伝わってくる
 
9 巴里祭平和な街と戦禍の報  【法被衣】
ウクライナの悲惨が胸に痛む
 
15 炎昼や散歩の犬の息遣い  【法被衣】
アッツイお昼のお散歩やめてケン
 
 
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牛朗選【3、11、22、◎24、】

 

特選

◎24、あらあなた左巻きだったのね捻じり花 【歌子】  

昭和の歌謡曲の様な語り掛けに感心しました 

 

並選

3、炎昼や氷ひとかけ金魚鉢   【歌子】      

作者の心情が伝わってきます。

 

11、故郷に戻りたし候土用東風  【一駒】    

コロナ禍で帰省自粛続いています。

 

22、懐かしきトマト臭さにめぐり遭ふ 【法被衣】 

お店に並ぶトマトは露地物は皆無になりました。

 

 

 

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祥雲選 【◎19,2,5,12】

 

特選

◎19 発電のプロペラ嬉々と土用東風 【法被衣】

風力発電の様子が生き生きと表現されています。「嬉々」も摩擦音にも聞こえます。

 

並選

2 トンネルを抜ければそこは夏の海 【牛郎】

川端康成の「雪国」の一節に似た、明るい場面への転換が巧みです。

 

5 足裏の砂えぐられし夏の海    【法被衣】

この経験は私にもあり、共感の選です。

 

12 炎昼やひもののごとく寝間にゐる 【牛郎】

この感覚はよくわかります。共感の選です。 

 

 

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暑い中、皆様お元気でしょうか。お疲れ様です。今月も句会を無事に終えることができてほっとしています。

 さて、選句を送ってくださる際の表記の仕方ですが、祥雲さんの「特選」「並選」

に習って、今後は、「特選」と「並選」という表記に統一したいとおもいます。二重丸は作品番号の頭に表示してください。