1 | 多摩川や妻と旅籠の鮎尽し |
2 | 初蝉は土中にあるか暑き夜 |
3 | 遠雷と黒雲にみな走り出す |
4 | 雷や光と音のショータイム |
5 | 露天湯は日本海の中雷(らい)走る |
6 | 七月の線状降水いと多き |
7 | 7月や紙の絵葉書き届きたり |
8 | そよかぜも映る池塘や尾瀬の夏 |
9 | 母逝きて最早一年(もはやひととせ)初蛍 |
10 | 標語ありお触りいいよ水くらげ |
11 | 緑陰に猫の四匹無防備に |
12 | こっそりと祖母の秘蔵の梅酒飲む |
13 | 淵好む大鮎体くねらせて |
14 | 頭から塩焼き鮎にかぶりつく |
15 | 串刺しや炉を取り巻ける鮎の群れ |
16 | 目を細め苔の香なめる鮎の卓 |
17 | 和邇浜に七月さむき風吹けり |
18 | 七月や故郷恋し友の顔 |
19 | 疫病にへばられ長き七月尽 |
20 | 一杯の梅酒に妻の上機嫌 |
21 | 亡き母の植えし古木の梅酒かな |
22 | 梅の酒氷砂糖の新しき |
23 | また一瓶眺めるだけの梅酒作り |
24 | 落雷に裂けたる巨木焦げ臭し |
25 | 雷の鳴り渡る海二隻の舟 |
七月句会の作品をお届けします。
いつも通り互選四句、うち一句は特選、後の三句は並選として、選評、感想など一言添えて、8月1日まで、お送りください。送り先はhaikude575@yahoo.co.jpです。