顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

歌子選&作品(27回)

●歌子選 【30、57.41、47、54】



30 剪定に天が拡がる梅林

   これは剪定している人の目線でしょうか

あちこちに伸びた枝が剪定されて、空が

見えるさまを天が拡がるという表現で、

句の景を広げて見せてくれました。

うーん、お見事。



57 鼻先の微かに潤む春の牛

   牛の微かに潤んだ鼻先・・・めったに牛をちかくで

   観ることがないのですが、なんだかにゅーっと牛とであった

   新鮮な驚きを感じました。おもわずへえ、そうなんですか

   と会話してしまいました。本当に牛と接した人にでなければ、

   詠めない句ですね。


   



41 古希の夫ジーパン姿で剪定す

   70になってもGパンがよくにあう若々しい夫が

ちょっと自慢な作者。夫を見つめる優しさも

漂ってきます。



47 コーヒーに年の豆添えモーニング

   俳句にはあまりカタカナを使わないように。。。

と、以前言われたことがあるのですが、この句のコーヒー

とモーニングの間に挟まった「年の豆添え」が

すごく生きていると思いました。

   お洒落な日常まで想像してしまいました。





54 あわゆきがしずくになりて陽射しかな

  きっと作者は、淡雪をじーーっと観察していたのです。

  その淡雪がしずくになったので、んっ、とみたら春の

  ひざしがさしこんでいました。。。。そんな情景が目に

  見えるようでした。淡雪が雫になっていく、こんな

  写真を見たことがあるような気がしました。

  でも、どうして全部平かななんでしょう

  勝手なことを言わせていただけるなら 

  淡雪が雫になりて陽射しかな のほうが美しい余韻が感じられる

  のですけど・・。

  

●気になる句

54にしようか20にしようか迷いましたが、二兄弟・・にひっかっかって

54になりました。美しく心惹かれる句でした。




20紅梅や母の裾持つ二兄弟

  紅梅に見とれている若き母

その母のスカートの裾をつかんでいる

幼い兄弟の様子が目に浮かびます。なんとも平和で美しい景。

ただ、二兄弟、という表現にちょっときぐしゃく

した感じがしないでもありません。

兄弟というだけで、「二人」を連想できますから、

二をつかわれるのら「二人の子」のほうが、全体の流れが

優しく感じられるような気がしました。




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●歌子の作品

4.目で語る二人がおりぬ春の茶屋  【歌子】

24.剪定の捨て枝壷に咲き匂ひ    【歌子】

35.剪定の野太き声や林檎畑    【歌子】

44.豆撒きやなぜかいつでも爺が鬼  【歌子】

48.一人居の豆撒き福も鬼もうち   【歌子】

56.言い訳の多き嫁ごや春の雪   【 歌子】

64.春の山真白き裾野波に濡れ   【歌子】