顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

J次郎2さん選 (第39回)

  ③●J次郎2さん選【3 17 18 22 30 46】 
 
今月は、想像をかきたてる句を選んでみました。
 
 3 辻の闇男声する厄落し

   真っ暗闇の中で声だけが聞こえる。

   それを聞いていると知らず知らず心が弾んでくる。

   どんな行事なんでしょう。想像がふくらみます。

   「暗闇を声が駆け抜く厄落し」
 

17 祝い箸拜み洗いも寒の明け

   うーん。正月の祝い箸をいつまで使うのかは地方に
 
   よって違うのでしょうけど  うーん、季重ねかなあ?

      でも、この感じはわかる気がする。

   「行事ぼけ元に戻りし寒の明け」
 

18 寒あけてめでたき話二つほど

   どんなことがあったのでしょう

   季節にも心にも暖かさがやってくるのですね。

   「鬼はそと福二つ来て寒の明け」
 

22 寒の明け雪の回廊沈みをり

   高くなる一方だった雪の壁と道が、少しへこんできた。

   それが春の始まりとは

   そんな雪国のことは、想像するしかないのですが

   「寒あけて雪の底には水流る」
 

30 田をせせる鳥の仕草も春めいて

   雪が消え土が見えはじめた田にやってきた鳥のことでしょうか。

   それとも、田起こしのトラクタの後ろに群れる鳥を詠っているのでしょうか。

   雪の余り降らないこの地方ではトラクタ待ちを想像してしまいます。

   「餌は尽きて鳥が素振りは鍬を待つ」
 

46 梅が枝の白さ紛らす鈍曇り

   そういえば梅の枝は白っぽい灰色にみえますね。

   「梅が枝も花も墨染め曇り空」

 
そのほかの気になる句は

2 刺繍裏絡まり合ふや厄落し

  うーん。刺繍と厄落しの関係がいまいちわからない。
 

21 寒明や両手いっぱい朝の市

  両手いっぱいの・・なんだろう。

  寒が明けると増えるもの出まわるもの・・なんだろう。
 

20 寒明くや畑の土の膨らみて

25 春めいてふっくらしてる川堤 

  イメージは両句とも同じですね。膨らんでくる=春。

  そうすると、寒明けも春めくも無くてよいような気がします。
 

41 梅咲くや獅子神楽舞門付けに

  うーん。獅子舞や神楽、門付けは正月の行事だよなぁ。

  しかし梅が咲く。

  ・・・新暦ではなく旧暦ならありうることときがつくまでに数分。
  うーん。季重なりとしようかしまいか・・・
 

47 今日もまた妻を演じて梅一輪

  正直言って、選にもらしたのが惜しい気がする。

  しかし、なんとなくだが「いつもの心情句」のような気もするのだ。

私は、一見して意味の分からない句や解釈に辞書や暦が必要な句が、
 
悪いとは思いません。
私だって「28 春めくや利鎌も切っ先やや鈍く」などと、

死語になってしまっている「利鎌の月」を略して、さらに分かりにくくしてます。

だから、分かりにくいのを気になる句にあげてみました。
 
では、三月もよろしく。
 
 
 
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④●J次郎2さんの作品  2月14日
 
4厄落とし豆を撒かるる大銀杏      【J次郎】
 
16寒明けは何時のこととて屋根の雪  【J次郎】
 
28春めくや利鎌も切っ先やや鈍く    【J次郎】
 
37梅が香にひとめ気にせず寄るメジロ 【J次郎】