祥雲さん選【6、31、32、33】
6 寒月や遠くて近き放射能
寒月と放射能の取り合わせが巧いと思います。
出ているので、「遠くて近き」は共感できます。
31 外套に孤独を包む家路かな
「孤独を包む」のは黒い厚地の外套でしょうか。
白コートなら幸せ包む感じですが、外套とした
私は最後には「冬ざるる」にしたのですが、最初は「もがり笛」
を発想していたので、共感の選です。原発を子孫に残す悲痛な
心の叫びを上手く表現されています。
33 落ち葉にぞ濾され澄みゆく雨滴かな
強調の「ぞ」が効いています。落ち葉の大切さに深い思いを
寄せるしみじみとした感慨の句で、好きです。
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祥雲さんの作品
10 原発の竜骨無残冬ざるる 【祥雲】
22 陰干しの母の形見のコートかな 【祥雲】
34吹き溜まる落ち葉見つめてピエロ泣く【祥雲】