顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

第156回 12月句会 作品、選句、感想、作者

      牛

1  何となく心せわしき十二月   【祥雲】

2  枯葉にもしがみつきたき強き風 【牛郎】

     祥 ◎駒

3  静けさや落ち葉の染めし街の朝 【法被衣】

     

4  冬麗誰もがマスク美男美女 【一駒】

5  十二月今年最後の受診終える 【歌子】

     ◎祥 法

6  冬麗やろくろ鉋の挽く香り  【牛郎】 

     牛

7  水鳥やオブジェのごとく身じろがず 【歌子】

8  ゆっくりと螺旋の夢を浮寝鳥 【祥雲】 

9  冬うらら広場の子らの声遠し  【法被衣】

    ◎法

10 風ふわり髪にかんざし落葉かな【一駒】

    

11 スタートは今七十三冬うらら 【歌子】

    

12 水鳥やえさ場に群れる命かな 【法被衣】

    歌 法

13 踏みしめる銀杏落葉や共白髪 【祥雲】

14 本日の群れし水鳥十三種   【牛郎】

15 息切らし雨の12月バスに乗る 【一駒】

16 冬麗やトランペットを吹く男【祥雲】 

    祥 歌 法

17 鈴磨くおしゃべり媼十二月  【牛郎】

    ◎歌 駒 牛

18 疫病に静まり返る十二月   【法被衣】

19 水鳥も澄まして泳ぎ泳跡波 【一駒】

    駒 牛

20 枯葉舞うイブモンタンの歌聴こゆ【歌子】

 

 

 

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♬ ♬ ♬ 選句 鑑賞 感想  ♬ ♬ ♬

 

 

祥雲選 【◎6、3、11、17】 

◎6 冬麗やろくろ鉋の挽く香り

電動の轆轤鉋でしょうか。刃と木地が擦れた時に立ち昇る香りを感じさせる良句です。檜などの香りのよい木地を挽いている景を感じます。「冬麗」に合っていて良いと思います。

 

3 静けさや落ち葉の染めし街の朝

落ち葉が散り敷いた街の朝の景が見事に表現された良句です。

 

11 スタートは今七十三冬うらら

 私より一つ年上の方の詠。その気迫に感動しました。

 

17 鈴磨くおしゃべり媼十二月

 神社の鈴を磨いているのでしょうか。初詣用に鈴を奇麗に磨いている姿が目に浮かびます。「おしゃべり媼」が微笑ましい。 

 

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歌子選 (4.13.17.◎18) 

4  冬麗誰もがマスク美男美女  

気が滅入りがちなマスク事情を「誰もが美男美女」と軽やかに言い切り、思わずくすっとなりました。

   

13 踏みしめる銀杏落葉や共白髪 

この年になるまで よく一緒に歩んでこれたものだね、という深々とした感慨が伝わってきます。

 

17 鈴磨くおしゃべり媼十二月  

神社参拝の鈴磨きのご奉仕をしているのでしょう。鈴音と女性の尽きぬおしゃべりとが響きあっています。何につけてもおしゃべりがいのちの女性たち。たくさんの経験を積んだ分、女のおしゃべりは、尽きることがありません。

 

◎18 疫病に静まり返る十二月   

今現在の不安な世の中を切り取った一句。私の住んでいる青森ではこのコロナ禍で失職した人が1800人もいるそうです。クリスマスも正月も何もあったものではありません。一年で一番賑やかで忙しく活気あるはずの12月が、買い物客もまばらで、静まり返っている・・今まで見たこともない光景です。「静まり返る」というのが不気味です。 

 

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法被衣選【6,◎10,13,17】

 

6冬麗やろくろ鉋の挽く香り

匂いの記憶を呼び覚まされました。

香を木の香としてもよいのかなと。

 

 ◎10風ふわり髪にかんざし落葉かな

落ち葉のかんざし、素敵な感性を感じます。

落ち葉のかんざしとすれば髪を省略できるのかも。

 

13踏みしめる銀杏落葉や共白髪

落ち葉の乾いた音が聞こえて来ます。

銀杏の銀と白髪が呼応しているように思います。 

 

17鈴磨くおしゃべり媼十二月

手と口をせわしなく動かす姿から元気をもらえそうです。

鈴を磨く行為が何を指すのかが少々伝わりにくいかも。 

 

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あらまち一駒選(◎3,12、18,20)

3静けさや落ち葉の染めし街の朝(◎)

映画のワンシーンのように情景が浮かびます。

 

12水鳥やえさ場に群れる命かな

餌があるから集まるんです、すなわち命ですよね。

 

18疫病に静まり返る十二月

コロナがここ迄猛威を振るうとは想像つきませんでした。

疲れはて年の瀬も静かにしていたい、共感させられますよね。

 

20枯葉舞うイブモンタンの歌聴こゆ

イブモンタンと言えば枯葉、歌が聞こえてます。

 

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牛郎選【1、7、18, ◎20、】

 

何となく心せわしき十二月     

確かに十二月、高齢になり動きが悪いのですが気持ちだけせわしなく

感じます。

 

7水鳥やオブジェのごとく身じろがず

真鴨の木の置物が部屋に有ります、近くに有る沼に数百羽越冬して

います。

 

18疫病に静まり返る十二月  

コロナ禍拡大が各地に及び不安な世の中に成りました。

 

◎20枯葉舞うイブモンタンの歌聴こゆ 

私たちの歳の方なら、シャンソン枯葉あまりにも有名です。