顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

歌子選 2月(第51回)

歌子選 (5,18,27,30,13)

5 娘との誤解は解けぬ薄氷  
 
  上五と中七が、季語から離れているのに、ちゃんと関連があり、視点がいいと思いました。
  ただ、このままだとただの説明句になってしまいますし、本来、薄氷はとけやすいもの
  なので、『解けぬ薄氷』というのは 表現が適切ではなくなるので

        娘との誤解とけぬや薄氷

  と思い切ってきったらどうでしょうか。
  そうなれば、内容も、『娘との誤解はあるが、薄氷のようにそのうち他愛なくとけるだろう』と
  いう明るさもにじむので、たった一語のところで、二句一章の俳諧味のある句になるように
  おもいました。 
 

 
 
18 麦追肥終えて一服冬の虹  
 
  よくリアル句会でいわれるのは、「特に入れなくてもいいものは極力割愛する」
  ということ。「何がどうしてどうなった」という説明になるようなものは避けようというものです。
  そういう点でこの句をみると、「麦」は特に入れなくてもいいのではないかという気がします。
  それに、「麦」は夏の季語なので、これは気をつけないといけないですね。
  でもこういう句は、この作者しか読めない句で、追肥を終えて、ふーーっと一服した空に
  虹が出ていた・・・・とてもいい情景、いい句だなあって思いました。 
 
         追肥終え一服するや冬の虹   だったらどうでしょうか。諸先輩方のご意見もよろしく。 
 
 
 
 
 
13 異国の夜月にぐるりの冬の虹   
 
  夜に月・・というのはあたりまえすぎますが、そこにぐるりと虹?
  夜に虹ですか?・・・・俳句をこえてどんな光景なんだろうと興味をそそられて
  の選句でした。
 
 
 
 
27 春めきて人やはらかにすれ違ふ  
   
   『春めく』と『人やはらかに』・・・・大雪で疲れきってぎすぎすしているものには
   なんとも心地のいいフレーズで、癒やされます。いいですねえ
 
  
 
 
30 寒厨明治をんなの形見着て   
 
  寒い台所で、おばあちゃんの形見の刺し子の服でも
  着た奥さんでしょうかそれともご自身でしょうか。誰とは言わないところに、詠み手に
  想像力を働かせてくれますね。明治女という表現の強さが、寒の厳しさとそれを乗り
  越えてきた先祖の強さが滲み、形見を着て・・に それを引き継いでいくものへの優し
  さも感じました。
 
 
 
 
 
 
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● 歌子の二月の作品
 
 4奈落まで覚悟決めしや薄氷    【歌子】
 
14子の仕事決まり恵法へ冬の虹   【歌子】
 
24友の癖ひとつ見つけし春の旅   【歌子】