葉 蝸 牛 法
1 幼子の抱えて覗くうすごおり
1 幼子の抱えて覗くうすごおり
し 法
2 薄氷をパキと割る子の笑顔かな
2 薄氷をパキと割る子の笑顔かな
3 薄氷虜となれり大気かな
葉
4 奈落まで覚悟決めしや薄氷
歌
5 娘との誤解は解けぬ薄氷
5 娘との誤解は解けぬ薄氷
羽
6 薄氷の古道さざめく山おろし
6 薄氷の古道さざめく山おろし
蝸
7 冬の虹電車待つ間に生れ出づ
し 蝸
8 薄氷を踏まずにまたぐ通学路
祥 牛 法
9 にぎやかに薄氷踏んでいく児童
10 贋作の神話晒され冬の虹
11 床起きて日記に綴る冬の虹
12 暮れなずむ空に希望の冬の虹
歌
13 異国の夜月にぐるりの冬の虹
13 異国の夜月にぐるりの冬の虹
牛
14 子の仕事決まり恵法へ冬の虹
15 薄らと良き日に掛る冬の虹
道
16 冬の虹きらめくダスト深呼吸
祥 道
17 靴底にピシと応えし薄氷
17 靴底にピシと応えし薄氷
歌 道 祥
18 麦追肥終えて一服冬の虹
18 麦追肥終えて一服冬の虹
19 冬の虹なまりの空にみつけたり
20 薄氷や瓦礫の山に罪はなき
祥
21 まあだかなぽっけの中に春の音
22 早春の賦を口ずさむ水辺かな
し
23 空港は春とて季語のるつぼかな
葉 羽 蝸 道 牛
24 友の癖ひとつ見つけし春の旅
し
25 鶯や啼き声遥か口真似る
歌 葉 し 道
27 春めきて人やはらかにすれ違ふ
27 春めきて人やはらかにすれ違ふ
葉 蝸
29 春が来るのらりくらりは仕舞い込む
歌 祥 羽 牛 法
30 寒厨明治をんなの形見着て
30 寒厨明治をんなの形見着て