祥雲さん選 【6、7、8、11、19】
6 鈍行の磐越癒す合歓の花
単調なローカルの磐越線の車窓に現れた合歓の花に
心癒された心情が巧く表現された良句です。
7 合歓咲くや笑み浮かべたる姉逝きぬ
合歓の花が好きだったお姉さまが、優しい美しい合歓の花のような笑顔を
浮かべて天国に旅立たれたのでしょうか。心からご冥福を祈ります。
8 進退の迷ひ払ふや日雷
日雷の一撃で進退の迷いも吹き飛んだという意でしょうか。
心情が季語と調和して巧く表現されています。
11 遠雷や昭和史捲り古本屋
古本屋で昭和史を捲っていたら遠雷がしたという景でしょうが、
「いつか来た道」を暗示させる遠雷が効いている巧い句です。
19 朝練の球児の声や合歓の花
閉じていた合歓の葉も開いて来た中での球児たちの朝練の声は
清々しくて好ましいものです。言葉が全て生きていて好きです。