1 裏口に狐の土産曼珠沙華
2 濡れ光る赤き睫毛や曼珠沙華
3 朝早し潜む冷気や曼珠沙華
4 探しもの海の彼方に曼珠沙華
5 しかたなく遠回りする曼珠沙華
6 曼珠沙華ひと刺す彩は地獄から
7 勝ち負けは時の運てふ曼珠沙華
8 足早の法衣のあとに曼珠沙華
9 月光や稲の水みる農夫かな
10月光も背負うて戻る坂の路
11月光に熱奪われし石灯籠
12しんしんと闇を癒して月光浴
13月光に浮かれて旨し一人酒
14月光浴びて齢を塗り替える
15両の眼を月の光に射抜かるる
16月明かり光源氏に魅せられし
17初めてのどんぐり見せてあやすなり
18秋の夜の琵琶の法師の語りかな
19のんびりと敬老の日の喫茶かな
20捨て置いた田畑一面泡立ち草
21呆けないとグリグリ廻す鬼胡桃
22羊吐く湯にどっぷりと豊の秋
23名将の菩提寺釣瓶落しかな
24主なき庭に木の実のたわわなる
稲の穂もすっかり黄色くなりました。皆様お元気でしょうか。
今月は早々と作品をお送りいただいてありがとうございました。
私が脚の故障などいろいろあって、作業が遅れてしまい、済みませんでした。
今月の選句はいつもよりもうんと少なく、三句選ということにしてみたいと思います。
では選句、お待ちしております。