顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

歌子選&作品

①歌子選 【9,10、17,18、19】
 
 
9 コンバイン早々出して秋を請う
 
   やることはやった、後は豊かな収穫を与えてください
   とこいねがうのみだ。コンバインを早々と準備し収穫の
   ための労働を惜しむことない勤勉な農夫、収穫のときをてぐすねひいて待っている
   この意気込み。きっと、農業をやっている作者でなければかけない句。尊敬の思いと
   神々しい思いにさえさせる。どうか豊作でありますように。
   
   
   
10 秋の夜や父の形見の家系録
   
        家系録・・・意外な素材に目を引かれる。
    余計な説明が何もない分、父への思いとか、
    自分のルーツをしみじみと思いめぐらしている
    様子や心情が目に浮かぶようだ。
    春の夜でもなく夏の夜でもなく秋の夜なのだ。
    季語がとても生きている。
    
    
17 七夕の願いあれこれ墨をする
   
    きっと作者にはお孫さんが居て、あれやこれやの願い事を
    短冊に書いてくれるようにせがまれたのだろうか。
    ついでにその両親、そして爺婆である自分たちの願い事も・・・・
    『願いあれこれ』とか『墨をする』という風に皆まで言い
    切っていないのに、短冊をかいたこと、竹笹ににつるした場面
    まで読み手に想像を膨らませ、状況を展開させてしまううまい
    句だと思いました。
    
    
 
18 風鈴やひとつふたつと耳澄ます
    
        これはどういう情景なんだろう。
    長屋か、あるいは住宅が並んでいるところ。
    どこからかかすかに聞こえる風鈴に
    耳を澄ましている。なにかうら寂しい。
    『ひとつふたつと耳澄ます』は風鈴のことを
    あらわしているので、あえて『や』できる意味は
    ないように思うのだけど・・・    
       
    
19男にも嫉妬あるてふ油照
    
       上五中七の内容と季語の油照りと何の関係があろうかと
    思うほど 遠くかけ離れているのに、妙にぴったり 
    合うのだ。
    『男にも嫉妬あるてふ』の後に私なら、どんな季語
    を持ってこれるだろうか。とても思いつかない。
    季語を配するのがうますぎ。
    

 
 
★一言感想・・・・ 時々、リアル句会では、とらざるの弁 という時間を持つことがあります。
 今回はそういうのをまねをして、書いてみます。自分の作品を棚に上げて書きますが、お気を
 悪くなさらずにお願いします。
 
 
1 冷房で熱物すする暑気払い
    冷←→熱いもの・・・この発想がおもしろい。
    が、冷房も暑気も季語。最近はよほどでない限り
    季重なりも大目に見られてきているらしいですけど
 

2 茅葺は天然クーラー父の里
    
    そうそう、そうなんですが、報告、説明にとどまっている気がする
    だいたい「何々~は」とすると、説明っぽくなるので、気をつけたい。
 
 
3 冷房の要らぬ故郷や風立ちぬ
    
    切字を使われて、形は整っていますが、今ひとつ冷房が要らないほどの
    涼しげな風が伝わってこない。     

 
4 冷房を入り切りしつつ日は暮れる
 
   電源を入れたりきったりで日が暮れる・・・・大げさに聞こえる。
   そんなことがあるのかなあ。もしもそういうことがあったとして、スイッチを入れたり
   きったりすることに、どんな感動があるのだろう。詩情がほしい。
 
 
5 メニューより冷房目当てレストラン
 
       そうですね。とにかく涼しいのが何よりのご馳走!
    当たり前すぎる感じ。もう一ひねりほしい。
   
 
 
  
6 はちまきの厨房冷房追いつかず
    
    冷房 厨房の言い回しがいまひとつなのかしら。
    レストランの、厨房で働く人の様子なのだが・・・説明くさい?詩情がない?
    誰か教えて。自分の作ったものって、客観的に見れなくてほんとによくわからない。

 
7 クーラーの音にいや増す暑さかな
  
    あまりにも暑いので、クーラーの強さを最大にするのだが、冷やそうと必死に回る
    機械の音が暑さをいや増しているという、なんとも間逆のことを捉えた発想が面白い。
    とはいえ、『クーラー』も 『暑さ』も夏の季語 
 
 
8  火祭りの乱舞の後や秋の風
 
   火祭りと秋の風の温度差がとてもいいと思う。 とはいえ、祭りも、秋の風も季語。
   乱舞はかろうじて免れましたが、「踊り」も季語になっているのでご注意。 むずかしいねえ~~~。

 
11 記念日を忘れられてる秋の空
   
    何のことかちょっと意味がつかめなかった。すみません。
  
 
12 秋立つや二階サッシの閉め忘れ
 
    これも内容がよくつかみきれなかった。秋立つと二階サッシの閉め忘れの
    つながりがわかるようでわからず、イメージが、わかなかった。ごめんなさい。

 
13 夜の秋すぐ寝入る子のあどけなし
  
    夜の秋・・・はぁ~?秋の夜でしょう?って思った方もいらっしゃると思うが
    秋の夜ではない。『夜の秋』は れっきとした季語だ。 調べてみてね。
    あどけなし・・・っていう表現はいいのだろうか。
    推敲不足。

 
14 汗拭う街角にふと秋の風
   
     汗も季語、秋の風も季語

 
 
15 花刈りてまた咲いてねと二重虹
   
    花も季語、虹も季語

 
 
16 ブロ友に見せて頂く月下美人
   
     報告の句になっていて、ああそうなんですか・・・で終わってしまう。
     どこかに焦点を当てて、感動を詠んで共感させてほしい。
    

20 酔うと脱ぐ癖ある裸婦のほくろかな
  
   毎月投稿している月刊誌の今月の課題が「裸」だったもので、20句ほど
   作ったうちの一句。もしかしたらこんな女性も居るかもしれないと
   男性メンバー受けするかなと、すれすれのエロスに挑戦してみたが、
   皆様生真面目で・・・(笑) 

 
21 異国の地迷い蛍や部屋の内
  
    『異国』『まよう』『蛍』だけで、幻想的な絵になりますね。
    でも、せっかく『や』できっているのに、『部屋の中』とさらに説明を
    加えてしまって、読み手に想像する隙間を与えてくれないのはもったいない。
    『や』で きる意味がなくなっています。
    『や』できったら思い切って別なことを持ってこられたほうがいいかも。
    (異国の夜迷ひ蛍と戯れし )     
   
 
 今回は、季重ねが多すぎでしたね。書いた後、歳時記をみる癖をつけよう。歳時記の説明
をよくみよう。
お忙しい中、暑い中、作品をひねって、お送りくださってありがとうございました。
好き勝手な一言感想、失礼しました。
 
 
 
 
 
 
 
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歌子の作品
 
 6 はちまきの厨房冷房追いつかず
 
13 夜の秋すぐ寝入る子のあどけなし
 
20 酔うと脱ぐ癖ある裸婦のほくろかな