●法被衣さん選 【45、39、34、50、40、6、24】
45 幾万のみたまさざめく星月夜
被災地の夜空を思い浮かべ胸が痛くなるような思いです。
亡くなられた方々のご冥福を祈ります。
39 切り株に夜露宿して星月夜
こういう光景に出会った事はありませんが、
きっと秋の虫たちも盛んに鳴き競っているのでしょう。
とても美しい夜。
34 手は口を口は手そしる落花生
やめられない止まらないの同類の句の中、
表現のひねり具合にいただきました。
50 寝室の階別々に星月夜
「階別々に」の言い回しが新鮮です。
団地の光景でしょうか。
啓発句
寝室の窓それぞれの星月夜
40 小石投げ波紋拡がる星月夜
静かな湖面に輪が広がっていく様子、
ちゃぽんという音も聴こえてきそうです。
波紋は拡がるものなのでもう一ひねり欲しいところかもです。
啓発句
石投じ乱るる池の星月夜
6 肌寒や一人いる家の広きこと
皆でかけてしまって留守番の光景でしょうか。
一人は独りという表現もあるのかも知れません。
24 草紅葉鎌納めたる焼肉会
地域の勤労奉仕でしょうか。
時間の流れがうまく表現されていると思います。
惜しくも選に漏れてしまった句
28 ねえそれでどうなったのと落花生
夫婦の会話でしょうか。
食べるのと聞くのと同時進行の様子が面白いです。
その他気になった句
5 肌寒し夜半の四ツ倉捨て小船
四ツ倉というのが福島の地名である事初めて知りました。
被災地を詠んだ句だったんですね。
12 肌寒きめざめの床の名残り惜し
この感覚同感です。
15 鍬置いて煙草一服草紅葉
光景が見えてきますが表現がストレートに感じました。
さっそく盗作
鍬置きて煙草くゆらす草紅葉
17 草紅葉人影のなき関所跡
秋の静かな情景。
人影のなきがもう一ひねりできそうです。
そこでさっそく盗作
関所跡吾の影のみ草紅葉
63 白鳥の鳴き声高く秋の空
白鳥は冬の季語?
俳句には季語を入れるという約束事がありますね。
(無季俳句というのもありますが)
季語がなかったり季語が重なる句はできれば避けたいもの。
ちょっと面倒ではありますがその都度季語を調べてみるのも
いろいろ発見があって面白いものです。
これからも俳句ということばの深~い世界楽しみたいと思います。
よろしくお願いいたします♪
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法被衣さんの今月の作品
7.肌寒き朝に家猫伸びひとつ 【法被衣】
20.石垣にくの一忍法草紅葉 【法被衣】
33.今日の日を呑んで潰れし落花生 【法被衣】
46.星月夜靴ひもの白歩み行く 【法被衣】
58.秋の夜を埋め尽くしてや星の声 【法被衣】