顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

■歌子

第90回5月 歌子

歌子選 (2,3,4,8,9、13) 2 老い一人あの日思って田植えする 労働力が減ってしまって、老いたりといえど、体の続く限り、一人でこうして 田植えをしなくてはいけない。時代の移り変わりの田植えの実態と、かつては 沢山人がいて、あれこれと賑わ…

4月歌子選&作品

①歌子選 (5,6,10,18,21,24) 5 畔塗りの水田に映える若葉かな 畦塗りをする頃の田んぼには若葉がいっぱい そんな景でしょうか。活気が感じられます。 6 精霊の息吹満ちたる若葉かな 若葉の萌え出でる感動が「精霊の息吹」とはすごい。 10 嬰…

第85回 12月の歌子の選句&作品

歌子選(6.9.11.17,20,24) 6 鱈場蟹我は行かぬと決めにけり 作者の決意の固さが伝わります。 年をとると頑固になり、それ故に周りを困惑させることも あるものですが、ともかく作者は絶対に行かないと決意を 堅くしたのです。一体、何を決意されたんだろ…

第84回 11月の歌子選&投稿句

④歌子選 (2,10,12,17,20,24) 2 猫たちは相似形にて日向ぼこ 猫と日向ぼこってよく使われる題材ですが、 「相似形にて」っていう表現、あまり見かけない 表現ですが、ネコちゃんたちの姿が目に見える ようで、無条件にかわいい 10 一葉落…

第83回 10月歌子選&作品

歌子選(3.6.7.19.24.26.) 3 浮子にらみ当たり知らせる月揺れる 月の浮かぶ凪の海で、夜釣りをしている。 浮きが沈み、同時に水面の月がゆらっと 揺れてあたりを知らせてくれる・・ そんな景なのでしょうか。浮きをじーっと 見つめているの…

歌子  第82回 9月

歌子選 (4,8,10,16、19,20) 4 てくてくと単線歩く鰯雲 一日に何本も通らない田舎の単線を、歩いている様子 が目に見えるよう。昔私の両親の田舎での光景が目に 浮かんで、懐かしい思いに駆られました。 8 あの雲は傘マークなり大根蒔く 雨が…

第81回 8月歌子選

①歌子(21,5,7.8,15,20) 21 迎え火や姉は十二のまま来る こちらの記憶がそうさせるのですが、姉が 12 のままで来るという表現に、胸を突か れました。 5 高原の宿の湯船や流れ星 高原の澄んだ空気、流れ星が露天湯に こぼれ落ちてきたかと思…

第80回 7月 歌子選&作品

①歌子選(4.12,18,2,24,27) 4竿担ぎ父と眺めし雲の峰 「竿を担ぎ」なので、釣りの行き帰りなのでしょうか。 「眺むる」ではなく「眺めし」の使い方からして、ぼんやり と雲の峰を眺めているというふうな印象です。ということは、 釣果がなかった帰りの様子か…

第79回 6月 歌子選&作品

歌子選 (5,6,9.20,23) 5夕暮れの時を止めたる額紫陽花 額紫陽花の美しさはまるで夕暮れの時を留めているかのようだ というか、あまりの美しさに、夕暮れ時に時を忘れて魅入って いるという景にちがいない。いずれにしても、夕暮れの時を止め…

第78回 歌子選&作品

歌子選(8、9,19.22.28.27) 8 甲高き声を集めて滝見小屋 滝をみる小屋があるんですね。口々に滝を称えて いる声が、滝音にかき消されまいと甲高い様子が 目に見えるようです。 9 滝音に心音預けぶなの森 険しい道をたどりながら滝のところで…

第77回 4月 歌子選&作品

⑤ 歌子選 1,3,6,14,19,22 1 春星や賢治を乗せて夜汽車行く まるで銀河鉄道が春の星空をめがけて走り去っていく 絵が見えるよう。「賢治と一緒に夜汽車行く」 に惹かれました。 ロマンチックでありつつ冷静かつ理知的な作者がかいま見えるよう…

第76回 3月 歌子選&作品

歌子選 (2,4,6、14、12,25,) 2 茅葺きの茶屋に梅見の客となる 数年前、八王子近くの梅で有名な公園で初めて梅見しました。 が全山梅という光景は初めてみる光景でしたので、ものすごく衝撃を受け そのときの感動が今でも昨日のことのようで、…

第75回  歌子

②歌子の作品 春菊や売り出す声に癖ありて 【歌子】 春泥の靴はみ出しぬ男所帯 【歌子】 春浅し膝の痛みの残りけり 【歌子】 歌子選 【3.8.16.22.23.24.】 3 帰り来る猫の足下春の泥 猫ちゃんを育てていたときのこと思いだし ました。言葉のリズムもとても軽…

第74回 歌子選&作品

②歌子選【3,4,14,15,20,23,】 3 紅の口尖らせつぼみ寒椿 ほんと、寒椿のつぼみ、こんな感じですね。 つぼみと言わなくても、紅の口尖らせ・・で蕾とわかるので 蕾を省略してもいいような気がしますが、どうでしょうか。 4 きょうの日や明日…

第73回 歌子選&作品

⑥歌子選 (1.3.8.10.15.24) 1 お多福や目隠し取りて笑初 我が家でも、私の手製のお多福の福笑いがあるのですが 日頃苦虫をかみつぶしている夫も、孫にせがまれて一緒に にこにこと参加してくれます。笑わないわけにはいかない 幸福の魔法の正…

第72回  歌子選&作品

歌子選 (6,13,14,15,19,20,27) 6 どっちかとどんぐり握る児のこぶし 幼児が大好きな「ど~~っちだ?」の様子が 目に見えるようです。 幼児の手は小さいので、ふくらみですぐわかってしまうのですが こっちはわざと、どっちかな~~~…

第71回 歌子選&作品

①歌子選 3 華やぎの声を集めて紅葉酒 紅葉の華やかさと、感嘆する人々の華やいだ声・・・ それを集めて、映像のすべてをさりげなく紅葉酒によせ集めてしまう うまい表現だと思いました。 6 奥山の住職と酌む紅葉酒 「奥山の住職と」がリアリティがあり、青森…

9月 歌子選

歌子選 ( 8 19 20 21 22 23 ) 8 廃線の噂とどかぬ案山子かな 行政には切り捨てられても、緑の山々と田んぼの広がる 美しい風景が目に浮かびます。 19 山寺や枯山水に萩の滝 上五も下五も名詞だとぶちんぶちんと硬い感じになるので、 どちらかを動詞にして…

69回 歌子選&作品

歌子選 (2,4,11,24,21,13) 2 かなかなを鎮魂と聴く夕べかな 4 かなかなの声に送られ下山道 11 力石やんわり止まる赤とんぼ 24 男爵の石載せて焼く灰の中 21 盆の月人の待ちたる駅の端 13 秋暑し男を試す力石 歌子の作品 7 蜩や…

歌子選&作品

①歌子選 【9,10、17,18、19】 9 コンバイン早々出して秋を請う やることはやった、後は豊かな収穫を与えてください とこいねがうのみだ。コンバインを早々と準備し収穫の ための労働を惜しむことない勤勉な農夫、収穫のときをてぐすねひいて待っ…

歌子選&作品

歌子選 【8.11.19】 8 せせらぎを背で聴きながら鮎を焼く せせらぎの音を背にしながら、鮎をやく景、においまで してきます。映像を見るような句だと思いました。 11 琵琶湖出て日本一の鮎となり 575に乗せた言葉のリズムがとてもいいし、何よ…

歌子選&作品

歌子選 【5、6、20、23、29、32】 5.一夜明け水の国なる田植かな 水の国の田植え、いい表現ですねえ。 美しい日本、誇らしい気もち。 6 引く水に山脈写す田植えかな 5と似た情景ですが、田植え後の 満々と水をたたえた田に、山並みがうつって…

歌子選&作品

歌子選 【1.4.17.21.22】 1 夏帽子海の香残し昼寝かな 海の香残して・・の表現がいいですね。 4 機械とめいっぷくの畔匂う夏 匂う夏・・いいですね。 21 行間を空けて追伸春惜しむ 行間を残しと季語がとてもよくかみ合っていて素敵な句です…

3月 歌子選&作品

歌子選 (2,11,26,31.32) 2.初歩き孫の額に木の芽風 歩き初めのお孫さんと季語の木の芽風が、よく合って いてほのぼのと優しい気持ちにさせられます。 句会では、孫の句は詠むなと(メロメロな内容になりがちなので そういわれるのだと思い…

歌子選

2 頬赤く貝をすする子蜆汁 ほっぺを赤くして蜆汁を啜っている子の様子が目に 見えるようです。 3 懇ろな鍬の手入れや土恋し 土恋しを季語とされたのでしょうか。土だけだと季語 にはなりませんし、土恋しという表現が少し生っぽ すぎる気がします。『水温…

歌子選&作品

歌子選 【2, 6, 12, 14 23】 2 童去り手袋ひとつ雪まつり 雪祭りは大人にも子供にも共有できる楽しさがあります。 忘れ物の手袋が片方だけ、大きな雪だるまさんに?あるいは 雪灯籠の傍らに?乗っかっています。手袋ひとつに焦点を合わせたところが うまい…

第61回 歌子選

歌子選 【2,17,119,21,20】 2 冬涛も打たれる巖もあるがまま 荒れ狂う波も、打たれる岩もあるがまま 何かはっと胸をつかれる。冬涛と岩のことを詠んでいるのだが 人の世のいろいろな関わりのことが含まれているようで、全て は摂理の中にある…

歌子選

歌子選 【4,15,21,24】 4 早生蜜柑語尾の切れよき和服客 15 静けさや林の縁に木の実落つ 21 孕みたる蟷螂しかと瓦礫行く 24 洋館の朝日に陰る蔦紅葉 ♪♪・・・・♪・・・・・♪♪・・・・♪・・・・・・♪・・・・・・・♪……♪・♪・・・・・・・♪………

歌子 (第59回)

歌子選 【7,10,18】 7 菊の香を纏ひ庭師の昼休み 菊の香をまとい・・・ここに詩情を強く感じました。 10 口漱ぐ水は歯を打ち冬隣 口をすすぐ水が歯を打つ・・とは思いを超えた表現で冬隣の季語との相乗効果。参りました。 18 鳴き砂を踏みて愁思…

歌子選&作品

歌子選 【1、15、20】 1 裏口に狐の土産曼珠沙華 童話の一場面が、映像を見るように 浮かんできました。 15両の眼を月の光に射抜かるる 目に映った月の光を、射抜かれるという表現に、澄み切った秋の月 と、感動が見事に表現されていると思いました…