顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

第72回 秋春さん選&作品

秋春さん選 (8,10,20,23,24,26,30,32)
 
8 お下がりの服より団栗こぼれ落ち
 
クリーニングに出すと高上がりです。
処分の意味があるおさがりにクリーニング代は払いません(笑)
お母さんはそのまま渡したのでしょうね。
もらった方も微笑ましかったのではないでしょうか。
そんな渡す方の心情も想像できて、良いなと感じました。
 

10 茶の花を新幹線から探しけり
 
静岡にひと月ほど滞在していた時があります。
お茶の畑をよく見かけました。
けれど花は一度も見たことがありません。
いまだ、見た事がありません。
新幹線の窓から一面に広がる茶畑を眺めている様子が
よいと思いました。
 

20 木枯に背を押されゆくポストまで
 
追い風は意外と楽なものです。
ポストへ誰かへの手紙をだしにいくのだろうなと思いました。
追い風にのっていつもより楽に歩いたのだろうなと
そして帰りは、行きで楽だった分大変だったとうなと思い
この句を選びました。
 

23 木枯や出会ひ頭にぶつかりて
 
風が冷たいと、どうしても襟を立てうつむきがちになります。
そんな光景がよくわかります。
風が強く、目にゴミが入るのも嫌で、うつむき前を見ていなかった
のでしょうか?
目に浮かびましたので選びました。
 

24 木枯やひしと抱き合う始発駅
 
誰と始発にのるのでしょうか?
寒くて人もまばらで…
人が少ないのをいいことに、恥ずかしさより暖を取ることを優先させたいほどの
木枯らしだったのでしょうか?
始発…という部分がとても良かったと感じました。
 

26 ぼんやりと炎見つめる囲炉裏かな
 
囲炉裏を囲む経験はないのですが、焚き火などで、なぜだかじっと火を見つめてしまう。
その気持ちがなんとなく同感できましたので選びました。
 

30 また同じ父の話や囲炉裏端
 
囲炉裏に限らず、なぜか父や母や祖母や祖父は同じ話をくりかえす(笑)
団欒を思わせるような句だな。。と思い選びました。
 

32 手をかざし昔話の囲炉裏かな
 
この句も、暖かい団欒を思い浮かばせました。
手を温めながら、子どもの頃の話でも聞かせてくれているのでしょうか?
電気に頼った暖ではなく、思いっきりアナログの囲炉裏!
その古き暖房器具の囲炉裏の前でする昔話は、その囲炉裏に見合った時代
の話なのかもしれません。
そんなことを想像させてくれた句でした。
 
 
 
秋春さんの今月の作品

日曜日 木枯らし待ちて 耳覆う   【秋春】
トトロかな 団栗積みて 子を騙す  【秋春】
纏足の 宿命悲しき お茶の花    【秋春】
胸躍り あたま隠して 深囲炉裏   【秋春】