顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

第73回 歌子選&作品

⑥歌子選 (1.3.8.10.15.24)

1  お多福や目隠し取りて笑初   
   我が家でも、私の手製のお多福の福笑いがあるのですが
   日頃苦虫をかみつぶしている夫も、孫にせがまれて一緒に
   にこにこと参加してくれます。笑わないわけにはいかない
   幸福の魔法の正月グッズです。
 

3 介護室猫のしぐさに笑初   
   介護施設のご老人と動物をふれさせる場面を
   テレビで観たことがありますが、無表情なご老人がほんとに豊かな
   表情を取り戻すんですよね。ご老人のうれしい気持ちと周囲の人た
   ちの、優しさが見えて心が温まりました。
   
   
8  知恵の輪のほろりと解けて初笑 
   解けそうで解けない知恵の輪。ほろりと。。。
   この表現には参りました。
 
10  セーターの成長願ひ大きめに
   『成長を願って大きめを用意する』というところに
   おそらく小さく産まれたのであろう孫(子)への願い
   が感じられて、作者ならではの愛情、優しさを感じました。
   わたしの場合は、長く着られるようにと、経済的理由だけ
   で大きめを買うものですから。

15  本当は着て見たかつた赤セーター
   ストレートな表現に思わずほほがゆるみました。
   男は青、女は赤の時代に育った男性の、本音に違いありません
   今からでも全然遅くないですよ。是非赤いセーターに挑戦して
   みてくださいね。
   

24 一木の聖樹に化ける駅の前  
  一木の聖樹に化ける・・でぱーっと目の前に、きらめく様子が目に
  浮かびあがります。とはいえ、もしかしたら、必ずしもただ肯定的
  にそれを眺めているのではなく、猫も杓子もこういったことをする
  風潮に対して、ちょっと一言ありそうな印象も『化ける』からにじ
  できます。
  
 
 
歌子の作品
2 嬰の泣く声に駆け寄り笑初           歌子
17 セーターに編み込まれたる慈愛かな    歌子
20 函館の情緒集めて大聖樹               歌子