第７５回 平成２６年２月 選句

 

1 ランドセル買いに急ぎし春の泥　　　　　　【道草】　

 

　　　　法　
2 春泥の靴はみ出しぬ男所帯　　　　　　　　【歌子】

 

　　　　歌　し　羽
3 帰り来る猫の足下春の泥　　　　　　　　　　【牛朗】

 

　　　　し
4 春泥にぴちゃぴちゃ遊ぶ子等の影　　　　　【祥雲】

 

　　　　牛
5 春泥の珍しくあり大都会　　　　　　　　　　　【法被衣】

 

　　　　道　牛　法
6 徘徊の思惟連れてや春の泥　　　　　　　　　【風葉】

 

7 春泥に黄色い声の宵の街　　　　　　　　　　　【しらぶる】

 

        歌　 葉

8 春泥や嘘つく術を身につけて　　　　　　　　　【羽林】

 

　　　　道　葉　法　祥　羽
9 春泥や生家に続く狭き道　　　　　　　　　　　　【歌子２】　　　　　

 

　　　　し
10 お椀にも春菊放し香が散りて　　　　　　　　　【道草】　

 

　　　　牛　法　羽
11 春菊や売り出す声に癖ありて　　　　　　　　　【歌子】

 

　　　　祥
12 オムレツに刻む春菊朝餉かな　　　　　　　　　【牛朗】

 

13 色香立つ春菊ふつと煮ゆる鍋　　　　　　　　　【祥雲】

 

14 春菊の花の放射の刺身かな　　　　　　　　　【法被衣】

 

　　　　道
15 春菊や嗜好の不思議香を交え　　　　　　　　【風葉】

 

　　　　歌　牛
16 春菊は妻の手の内腹の虫　　　　　　　　　　【しらぶる】

 

　　　　道　祥
17 春菊や水にさらされ青を増し　　　　　　　　　【羽林】

 

　　　　葉

18 春菊やまとふてみたき色香かな　　　　　　　【歌子２】

 

19 店頭で口ずさみしてひな祭り　　　　　　　　　【道草】　

 

　　　　葉　牛　し
20 春浅し膝の痛みの残りけり　　　　　　　　　　【歌子】

 

　　　　葉　祥
21 ベンツ買う目標立てて卒業す　　　　　　　　【牛朗】

 

　　　　道　歌　法　羽
22 白粥の海に梅干し建国日　　　　　　　　　　【祥雲】

 

　　　　歌　し　祥　
23 潮騒や椰子の梢におぼろ月　　　　　　　　【法被衣】

 

　　　　道　歌　し　祥　羽
24 少しずつ打ち明け話水温む　　　　　　　　　【風葉】

 

　　　　葉　法　羽
25 丸くなる朝の挨拶水温む　　　　　　　　　　【しらぶる】

 

26 ひふみよと数へ建国記念の日　　　　　　　【羽林】

 

　　　　牛
27 影法師踏まれ痛いと春夕焼　　　　　　　　　【歌子２】