第76回 平成26年3月 作品選句作者披講

 

お題　　　卒業（法被衣さんより）　　つばめ（風葉さんより）　当季雑詠

 

 

　　　　葉　羽
　１　そっと踏む音が響いて薄氷    　　　　　　 【道草】

        歌　つ　道
　２　茅葺きの茶屋に梅見の客となる　　　　　【羽林】

　３　潤みたるまなこに春暖途切れたり　　　　【つゆき】

　　　　歌　牛
　４　震災が残した子等が卒業期　　　　　　　 【道草】

　　　　羽
　５　卒業は歩く間に終りけり　　　　　　　　　　【つゆき】

　　　　歌　葉
　６　舌縺れ亭主関白卒業す　　　　　　　　　　【牛朗】

　　　　つ　法
　７　卒業やキットカットを分かち食む　　　　　【祥雲】

　　　　道　祥　牛
　８　音読の賢治詩集や土恋し　　　　　　　　　【風葉】
　　　　祥　し　葉　羽
　９　初燕空の青さを切り裂いて　　　　　　　　 【道草】　

 

　10　黒車にはつばめの糞で高値付き　　　　　【つゆき】

　　　　
　11　お帰りやよく犂熟し燕来る　　　　　　　　　【牛朗】

　　　　歌　つ　道　牛　羽
　12　南洋の汐香みやげに燕来る　　　　　　　【祥雲】

　　　　法
　13　巣つばめのよもや隙間につくりけり　　　【しらぶる】

　　　　歌　祥　葉　羽
　14　堀の水風をうつしてつばめ来る　　　　　【法被衣】　

　　　　つ　祥　し
　15　折々にサーカスの唄つばめ来る　　　　　【風葉】

　　　　法
　16　初燕老舗の門をくぐりけり　　　　　　　　　【羽林】

　　　　道　法
　17　十字切るつばめ懺悔の祈りかな　　　　　【歌子】

　　　　法　牛
　18　歯の治療しかめ眺める初桜　　　　　　　　【しらぶる】

　　　　し
　19　重き荷をふはりと運ぶ春の雲　　　　　　　【歌子】

　20　アメダスのお天気嬢や昼蛙　　　　　　　　【牛朗】

　　　　葉
　21　原子炉の竜骨惨と斑雪　　　　　　　　　　　【祥雲】

　　　　道　し　羽
　22　水温む母子の笑みのやはらかき　　　　　【法被衣】　

　　　　つ　牛

　23　卒業と心残りが同居する　　　　　　　　　　【しらぶる】

 

　24　卒業やタイムマシンに乗りに行く　　　　　　【法被衣】　

　　　　　歌　つ　祥　法　し
　25　初恋を青空に投げ卒業す　　　　　　　　　　【風葉】

 

　26　卒業式直立不動の首席かな　　　　　　　　【羽林】　

　　　　道　祥　牛　し　葉
　27　片思ひ告げられぬまま卒業す   　　　　　【歌子】