つゆきさん選【3,6,14,17,28,32】
3 川底の魚影さがして夏近し
季語は「夏近し」。能動的な動作に共感しました。
6 目をこらし三つ四つ五つ春の星
季語は「春の星」。主観的な星の数。天空には既に星のきらめきが。
14 川沿いにおとり鮎の字夏近し
季語は「夏近し」。看板でしょうか。「子鮎」「稚鮎」は春の季語。
「年魚」「香魚」「鮎」などの通常の鮎は夏の季語。「錆鮎」「落鮎」
は秋の季語と3季に渡る鮎ですが、「おとり鮎」と聞けば鮎の友釣り
でしょう。まさに釣りファンには「夏近し」だと思います。
17 ポケットに片道切符旅のどか
季語は「のどか」。「片道切符」に、おやと思いました。
ちょっと不安もあったのではないか。しかし春の長閑さには負けて仕舞う。
28 逃げ水の先ジャンバルジャンのパン二つ
季語は「逃げ水」。「パン」と言えば「ジャンバルジャン」でしょうか。
は退屈だった?と言っても高校時代です。今読んだら、結構真剣に読める
のかもしれません。
32 産声や窓にふうわり春の雪
季語は「春の雪」。「産声」「ふうわり」などまかり間違えば、平凡な
イメージに堕して仕舞う危険性が有る中で、勇気を持って作句したと思
います。大成功とまでは言えないまでも、ほのぼのとした感じが「春の雪
」と言う季語と相俟って出せたかと私は思います。
*2回目ですが、今回は評も付けて見ました。