顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

第85回 12月の歌子の選句&作品

 
歌子選(6.9.11.17,20,24)
 
6 鱈場蟹我は行かぬと決めにけり 
   
    作者の決意の固さが伝わります。
    年をとると頑固になり、それ故に周りを困惑させることも
    あるものですが、ともかく作者は絶対に行かないと決意を
    堅くしたのです。一体、何を決意されたんだろうって、
    あれこれと勝手に想像をふくらませました。決意の固さと
    蟹の甲羅の固さとがかみ合いすぎておもしろい。
    
 
9 夢に逢ひ目覚めかなしき冬の川 
 
    目覚めたときの作者のかなしさがこれでもかと、言葉の全て
    からにじみ出ています。しかし、かなしいとか寂しいとかを
    言わずにそういう情感を表現できるように。。とはよく言われ
    ることですが、悲しいといわずに、これを表現するにはどんな
    表現があるものでしょうか。 
 

11おはようの小声になりぬ冬の川  
 
    雪国の言葉の短さは有名ですが、それは口を大きく開くと奥歯が
    しもやけになるからだって、誰かが言っていましたが、雪国なら
    ずとも、あまりにも寒いと、首を縮め喉も引きつって声が出に
    くくなります。そんな様子が目に浮かぶようです。冬の川が一層
    気温の低さを感じさせます。

    
17 ポンと撃つ竹鉄砲や竜の玉   
 
    昔、そういえば竹鉄砲に、植物の中身から取り出したスポンジ
    のような物を詰めて遊んだことを思い出しました。竜の玉はあまり
    見たことはありませんが、きっと竜の玉を見ることができる地方では、
    こういう物を詰め込んで遊んだのでしょうね。漢字の撃つは、ちょっと
    強いような気がしました。

20 売り出しの声に押される師走かな 
 
    人でごった返した師走の買い出しの様子と、売り出しの声が
    聞こえてくるようです。人波に押される、というのではなく
    売り出しの声に押されるという表現に言葉の工夫が感じられ
    ました。
    
 
24  冬麗や月のえくぼの空にあり
 
    えくぼのような三日月が澄み切った冬空に浮かんでいる光景が
    写真を見るように浮かんできます。
 
 
 
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歌子の12月の作品


たらばがに横座りの娘の長い脚 【歌子】

暴風に煽られ溢る冬の川    【歌子】

冬眠の寝息を包む白き山    【歌子】