顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

俳句講座(5) J次郎2編

「ふと口に、上るもんかよ、五七五」    (中学国語の時間を偲んで、5)

2003年の春先に、ある人のシクラメンの句を見て

じじいも、ひとつ句をひねろうと思った。

たしかうちにもシクラメンがあったはず。

てんで、朝、家の前に置いてある鉢を見た。

先日の雪のせいか、元気がない。

困った、これでは575ができゃしない。

うーん。詩想が湧かないんだよな。

会社へ向かう車の中で考えた。

鉢の中には、シクラメンの株と抜き取られた花があった。

かみさんが抜いたやつだ。

ふむふむ。

花が終わりかけて、しおれ始めたら抜かれるんだ。

よし。なんとかなるかもしれない。

「しおれれば、なんとかかんとか、シクラメン

なんとかかんとか、を思いつこう。

「しおれれば、引いて抜かれる、シクラメン

こらこら、そのまんまやんけ。

シクラメンを抜くのは、次の蕾みが良く咲くように。

抜くときは根元を持って、ねじる。んだそうだ。

かみさんが花屋に聞いてきた。と言っていた。

ふむ。次の蕾みのために抜かれるのか。

「しおれれば、引かれ座を明く、シクラメン

ううむ。できたような、できんような。

説明なんだよな。これは。

しかもだ。知識が無いとわからんぞ。

はて困った。

転換してみよう。全体図だ。


「鉢の脇、しおれて抜かれ、シクラメン

まだ、こっちのほうが良いか。

だが、まだストレートすぎるなぁ。

「鉢の脇、しおれてねじられ(ひねられ)る、シクラメン

字余り。

少しダイエットしなくては。

「鉢の脇、しおれねじらる、シクラメン

「鉢の脇、しおれひねらる、シクラメン

うん、ひねるほうが語感がいいな。

これで、できたことにしようか。

・・・
「の」が気に入らんなぁ。・・・・

「鉢脇は、

「鉢脇の、

「鉢脇が、

「鉢脇や、

「鉢脇に、

「鉢脇で、

「は」か「に」か「で」。だなぁ。

「鉢脇は、しおれひねらる、シクラメン

抜かれた花が山のようにある。

「鉢脇で、しおれひねらる、シクラメン

これじゃあ、鉢の外で咲いてたみたいだ。

「鉢脇に、しおれひねらる、シクラメン

こんなとこか。

お、会社に着いてしまった。

じゃ、これで昼休みに投稿しよう。

そして昼休み、キーボードを叩く。

でもまだ、満足できないなぁ。

最初に思いついた出だし、「しおれれば、

使えないかなぁ。

結局、こうなった。

「しおれれば、明日は捻られ、シクラメン


いったい、これのどこが「ふと口に」なんだ?


(2003年にあるMLに投稿したものを改作しました)