顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

第160回 顧問のいないネット句会 4月句会

1  ボサノバの流るる茶房夏近し  【歌子】   

2  店頭に春筍の二つ割り     【法被衣】

    ◎祥 歌 ◎駒

3  春筍に託して変わりなき便り  【牛郎】

    祥 歌 法

4  蓬色レースの大地夏近し    【一駒】

    

5  朝掘りの春筍(しゅんじゅん)かかえ父帰る【祥雲】

    ◎歌 駒

6  谷あいの海の青さや夏近し   【法被衣】 

7  神を呼び矢車回る風強し    【歌子】 

8  夏近し鷺の冠羽と飾り羽    【祥雲】

9  コロナ禍や捌けぬ雲丹に舌鼓  【一駒】

10 湖真下琵琶湖テラスの夏近し  【牛郎】

    牛 駒

11 岩間にて海栗に刺されし十五歳  【祥雲】                              

12 ここ掘れとチョイと春筍覗き見る 【一駒】

13 雲丹割るや波のきらめく利尻島  【牛郎】

    祥

14 水槽の雲丹はゆるりと歩きをり  【法被衣】

15 いつ明けるコロナの嵐春の虹   【歌子】

    祥 駒

16 矢車の影白壁に回りをり     【法被衣】

17 生雲丹やとろりとろりと朝の卓  【歌子】

    歌

18 矢車や代の変はりし鋳造所    【牛郎】

    法 牛

19 矢車は茅葺屋根を見下ろせり   【祥雲】

20 子らの声矢車かざし走るゆく   【一駒】

21 尾瀬原に白き微かな春の虹    【祥雲】

    ◎法 ◎牛

22 諍いも忘れてしまう春の虹   【一駒】 

23 雨止みて鯖街道に春の虹    【牛郎】 

24 ノートPC出先でたたき春の虹  【法被衣】 

    法

25 姫様の十二単や春筍を剥く    【歌子】

 

 

♬ ♬ ♬ ♬ ♬ 選句と感想 ♬ ♬ ♬ ♬ ♬ ♬ ♬

 

♬ ♬ ♬ 祥雲選 ♬ ♬ ♬ ♬

【◎3,4,14,16、】

 

◎3 春筍に託して変わりなき便り  

「コロナ禍だが、変わりなく暮らしているよ」というような便りが、

届けられた春筍に添えてあったという、平凡の中の暮らしを詠んだ良句です。

4 蓬色レースの大地夏近し

レースは夏の季語だが、あまり気にならない。

緑の色を深めゆく、大地の景が季語と調和

した良句です。

14 水槽の雲丹はゆるりと歩きをり

雲丹の生態が巧く表現された良句です。

16 矢車の影白壁に回りをり

矢車の影に気持ちが寄っているとことに惹かれました

 

♬ ♬ ♬ 歌子選 ♬ ♬ ♬ ♬

  【3,4 ◎6,18】

 

3春筍に託して変わりなき便り

母の時代の人たちは手紙も電話もあまり使わずに、山の物

季節の物を送りあうことをしてました。お互いの無事の便り

だったんですね。

遠い時代が懐かしく懐かしくよみがえりました。 

4蓬色レースの大地夏近し

津軽平野の広々とした美しい景が目の前に広がります。大地を蓬色

のレース編みに見立てた詩情ある句ですね。最近すっかり

巣ごもり状態で、どこに出歩くこともなく、季節の変化にも触れることなく

何の感動もない自分の干上がってしまった情熱に、ぽっと火がつけられた

気がしました。やはり、吟行に歩かなくてはいけませんね。

 ◎6谷あいの海の青さや夏近し

谷あいから海の見える風景。。海の色の変化に

季節を感じるみずみずしい感性、最近家にばかりこもっているので

なんだかこういう感じ方をすっかり忘れていた自分に愕然としています。

4の句と似ていて、どちらにしようか迷いましたが、こちらのほうが言葉

のテンポもよく映像がくっきり見えることから、こちらを選びました。   

18矢車や代の変はりし鋳造所

 先祖代々、神様に守られてきた象徴として、代が変わっても、きっと

昔のままの矢車を使っていて、カラカラと今日も回っているのでしょう。

そんな景が浮かんできました。

繁栄をお祈りいたします。

 

♬ ♬ ♬ 法被衣選 ♬ ♬ ♬ ♬ 

【4,19,◎22,25】

 

4 蓬色レースの大地夏近し

大きな風景。一言も触れていないのに大空を思い浮かべます。  

19 矢車は茅葺屋根を見下ろせり

空気が美味しそうです。 

◎22 諍いも忘れてしまう春の虹

ドライブ先で道に迷った責任の行方はどうでもよくなった? 

25 姫様の十二単や春筍を剥く

竹取物語を彷彿とさせてくれます。

 

♬ ♬ ♬ 牛郎 ♬ ♬ ♬ ♬ 

【5、11、19、22、】

 

5、朝掘りの春筍かかえ父帰る       

思わずお隣のお爺ちゃんを思い出しました。 

11岩間にて海栗に刺されし十五歳    

海無県育ちには判りませんでしたが、大人になり

海育ちの方の遊びを教えて頂きました。

19、矢車は茅葺屋根を見下ろせり     

昨年五月訪ねた京都府美山町の風景思い出し

ました。

 ◎22、諍いも忘れてしまう春の虹       

諍の内容は判りませんが、春の虹によって

忘れられた意味深な句に引かれました。

 

♬ ♬ ♬ あらまち一駒選 ♬ ♬ ♬ ♬

     【◎3,6,11,16】

◎3春筍に託して変わりなき便り

灰も添付してなんだか代わり映えしない季節の

贈り物にグッと想いが伝わる句で好きです 

6谷あいの海の青さや夏近し

もう直ぐだ泳げるの一瞬見えた海の色に沸き

立つ思いが伝わる 

11岩間にて海栗に刺されし十五歳

そうだった海の中のウニの棘にウッワって

悲鳴あげたな、でも15歳だったら密猟かな?

16矢車の影白壁に回りをり

鯉のぼりの鮮やかな色も見えて来る