顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

2023年(令和5年)顧問のいないネット句会九月の選句・作者 

★あらまち一駒選 

特選◎8 二百円の秋刀魚を二人で分けて食ぶ 【祥雲】

        愛情あふれる老夫婦の日常にほっこり

並選〇2  釣果なきボックス重し鰯雲 【歌子】

        魚釣れない時は空を見上げるよね

並選〇7  もう忘れよう邯鄲よ陽が昇る【歌子】

         鳴き止まぬ虫の声に寝不足になったもう寝ようよ

並選〇18  閉門の神宮の森初紅葉【法被衣】

        緑の樹々の中に薄らと紅葉が見えてきた感動が聞こえる

 

★祥雲選

特選◎16 語りつぐ瑠璃光院の初紅葉【丑郎】

  京都の浄土真宗の瑠璃光院の紅葉は写経机に 映り込むことで有名。 語り継ぐ が効いている。

並選〇18 閉門の神宮の森初紅葉    【法被衣】

  開門ではなくて閉門の神宮の風情がとても良い。

並選〇19 酸ケ湯より始まる紅葉初紅葉【歌子】

  季重なりではあるが、青森県の豪雪地域の酸ケ湯の初紅葉の記述が良い。

並選〇23 虫の声夜空の星に聞かせてる 【あらまち一駒】

  擬人法的な素敵な句。

 

★丑郎選 

特選◎22 虫の音にまだほど遠き暑さかな【法被衣】

  今年のなつの暑さは格別でした。

並選 〇5 邯鄲の鳴き声薄れ夜明けかな【あらまち一駒】 

    気が付けば虫の知らせ(笑)

並選 〇11 七輪に秋刀魚の煙割烹着【法被衣】

    母親を思い出します。

並選 〇19 酸ケ湯より始まる紅葉初紅葉【歌子】    

    酸ケ湯は日本一の豪雪地域と聞いた事が有ります。

 

★法被衣選

特選◎2 釣果なきボックス重し鰯雲【歌子】

   クーラーボックスは空っぽゆえに軽いはずが気分が重い。空にはあんなに鰯が泳   いでいるというのに・・・。風景描写ではなく心理描写の妙。

並選〇9 声出して火炎地獄の秋刀魚かな【丑郎】

   脂ののった秋刀魚を焼いている最中、油断していると炎に包まれてしまいますそれも旨さにプラス?

並選〇13 抱き上げて幼児看る長き夜【丑郎】 

   夜中に具合が悪くなってしまったのでしょうか。病院へ行く事もままならぬ不安な夜。   

並選〇20 低奏の虫の音母の棺の下【祥雲】

   コオロギでしょうか、葬儀の夜に一緒に悲しんでいる景ですが、虫は求愛で鳴い   ているためしみじみと命の愛を感じます。

 

★歌子選

特選◎15 富士あおぐ狭山湖畔の初紅葉【祥雲】

   狭山湖は いったことはありませんが、湖にうつる紅葉の美しさや美しい富士山が絵をみるように浮かんできます。

並選〇13 抱きあげて幼児看る長き夜【丑郎】

   夜中に発熱か何かでぐずっている幼子、夜明けとともに救急病院に連れていくことにしているのだろう。そんな夜の長いこと。

並選〇10 焼き秋刀魚今夜おかず知れ渡る【あらまち一駒】

   秋刀魚の匂いが充満していて、其れで今夜のメニューがはっきり知れ渡ってしまう、なんかユーモラスです。

並選〇6 邯鄲の闇に届かぬ街路灯    【法被衣】

   「邯鄲の闇」の表現が巧み。街路灯の灯りと灯りが届かない闇の中から美しい羽音、ドラマのワンシーンをみているみたい。

 

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1        語り合う常夜灯の下もう秋か 【あらまち一駒】

2        釣果なきボックス重し鰯雲   【歌子】

3        邯鄲や露湯あふれいる伊豆の宿 【祥雲】

4        邯鄲の宿の羽毛の枕かな    【丑郎】

5        邯鄲の鳴き声薄れ夜明けかな 【あらまち一駒】 

6        邯鄲の闇に届かぬ街路灯     【法被衣】

7        もう忘れよう邯鄲よ陽が昇る   【歌子】

8        二百円の秋刀魚を二人で分けて食ぶ【祥雲】

9        声出して火焔地獄の秋刀魚かな  【丑郎】

10      焼き秋刀魚今夜おかず知れ渡る  【あらまち一駒】

11      七輪に秋刀魚の煙割烹着     【法被衣】

12      車中泊果たせず戻る秋刀魚焼く  【歌子】                                                                             

13      抱きあげて幼児看る長き夜    【丑郎】

14      三味線と胡弓に合わせ風の盆   【祥雲】

15      富士あおぐ狭山湖畔の初紅葉   【祥雲】

16      語りつぐ瑠璃光院の初紅葉    【丑郎】

17      ランニング樹々もちらほら初紅葉 【あらまち一駒】

18      閉門の神宮の森初紅葉      【法被衣】

19      酸ヶ湯より始まる紅葉初紅葉   【歌子】

20      低奏の虫の音母の棺の下     【祥雲】

21      寝そべって故郷の虫声高き    【丑郎】

22      虫の音にまだほど遠き暑さかな  【法被衣】

23      虫の声夜空の星に聞かせてる   【あらまち一駒】

24      午前二時虫の声すら静まりぬ   【歌子】

25      公園の梢を駆ける律の風     【法被衣】