顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

第12回 選句・選評(その1)

はあい、お待たせしました。

選句、選評がそろいましたので、お届けします。 ながいので、コーナーを二つにわけて

掲載しますね。






★ J次郎2 選 【 10 11 23 25 】


こんにちわ、選句です。

やはり、大根は干し大根が多ございました。

沢庵・古漬・切干などを期待しましたが

今回は「ふろふき大根」を選ばせていただきました。

食欲旺盛なうたこさんは、どこにいるかな?

9 14 22と見ましたが、選外なのはなぜでしょう。




選評

1 「池の鳥、枝たつ鳥や、五重塔

  季無しと見えて残念。

  (盗作:池に鴨、飛び立つ鳩や、五重塔)


2 「一病を、忘れて踊る、小春かな」

  小春日和の気持ちよさがあらわれていますね。


3 「寒風に、落ち葉の行方、気にかかる」

  そのとおりなのですが、ストレートなので・・やや

  (附句:捜索願いは、誰に問うべき)


4 「珈琲の香の、散るに手を添う、隙間風」

  情景が弱い。隙間風が冷たいのでカップに手を温める、つもりだったが

  そうは読めない。 


5 「子の祝言、間近き今日の、小春かな」

  幸せと、その象徴のような日和、ですね。


6 「浅草寺、けむりを浴びる、菊花展」

  菊花展もまた、無病息災を祈ってるとは、

  着眼がおもしろいですね。

  (盗作:菊展も、煙くぐって、浅草寺)


7 「大根が、干され津軽の、匂ひする」

  津軽の匂い、大きな印象が良い、と思います。

  ただ、信州だって美濃だって大根は干すんですけど・・・

  (盗作:大根干し、これも津軽の、匂いなり)


8 「大根と、鴨がそろって、ひなたぼこ」

  ごめんなさい、情景が。縁側に撃たれた鴨が置いてあるのを想像しちゃって・・


9 「大根や、綱引きころげ、千切れ雲」

  場面転換がおもしろいですね。ユーモアたっぷりです。

  でも、「や」で切っちゃうと運動会の場面みたいにも。

  (盗作:大根引き、勝ってころげて、千切れ雲)


10 「ただいまの、声より先に、土大根」○

  どさりと音を立てて、採ったばかりの大根が置かれる情景が眼に浮かびます。


11 「立ち上がる、たびどっこいしょと、雪囲い」○

  五七五の字数をうまく使われてますね。年齢や地域まで目に浮かびます。


12 「立ち入れば、廃工場の、蔦も枯れ」

  うーん、「立つ」の無理付け。上五は無用。雑詠にすべし。

  (改作:「売り地」立つ、廃工場は、蔦も枯れ)


13 「立ち姿、だんだん丸く、なる二人」

  おもしろいので、選句しようとおもったけど、季無し。

  (附句:テレビ、番する、夫婦のダルマ)


14 「笛吹けど、立つも踊るも、着ぶくれて」

  こちらは、季あり、そしておもしろい。選外は心外。

  (附句:テレビ、番する、夫婦のダルマ)


15 「冬立って、天使が飛ぶよ、富士の山」

  雲を天使と見立てたのが、おもしろいと思います。



16 「冬の夜、ガラス曇って、影絵かな」

  句が弱い。なんといえば良いのだろう。

  場面の転換の無い、順に説明してる、印象が、勢いを弱めているのかな。


17 「塀垣に、男所帯の、干し大根」

  板塀なのか、ブロック塀か生垣か、無造作に大根が掛けられている。

  ただ、塀垣って熟語はあったのだろうか?


18 「干大根、冷風あびて、一人前」

  むむぅ、説明句だなぁ。


19 「ほろほろと、箸先あやうし、ぶり大根」

  イメージが紋切り型。「危うし」という言葉だけで句をつくろうとしている。


20 「わびしさも、炬燵ひとつの、あたたかさ」

  小春日和の他の句に比べて、同意する部分が、やや少なく感ずる。

  炬燵ひとつしかないので、暖かさが侘しい。のか

  侘しいけれど、炬燵ひとつで癒される。のか、どちらととれば良いのか迷う。


21 「大根が、干されし軒下、老夫婦」

  情景は浮かぶ。けれど「干されし軒下」が説明過剰なんじゃなかろうか。

  (盗作:大根が、老いた夫婦と、ひなたぼこ)


22 「冬空に、岩なでてみる、立石寺

  蝉の声は残っていましたか?と聞きたくなりますね。

  兼題「たつ」をうまくこなされていますね。

  (附句:土に寝入りし、せみきりぎりす)


23 「風呂吹きに、箸の刀や、妻の顔」○

  兼題「大根」を詠まないで読ませるところがうまく、ユーモアもありますね。

  22と23どちらをとるか迷いましたが、22さん、ごめん。

  ところで、固い大根にどんな顔をしてるのでしょう。

  (盗作:ふろふきに、箸を刀の、妻の顔)


24 「妖しげな、リズムギターに、枯れ葉舞う」

  どんなギターでしょうか。

  ごめんなさい、ちょっと思い浮かびません。


25 「立ち座り、花嫁の父、神無月」○

  神無月は、俳句にするための無理付けっぽい(実景なのだろうけど)。

でも、上の二句には、「そうだよなぁ」と同意する

  (附句:吹き寄せらるる、霜月の葉々)


26 「旅立ちを、止めるが如く、流行風邪 」

  旅立ちを止められちゃったんでしょうか。それとも

  風邪だけど、旅行に出たのでしょうか。

  「如く」は弱い。と思います。

  (盗作:旅立ちを、止めてくれるな、流行風邪)

  (盗作:旅立ちを、止める理由に、流行風邪)

  (盗作:旅立ちに、処方箋つけ、流行風邪)

  (附句:ことわる電話の、声はかすれて)


なお、盗作や附句をするのは、とても「気になる」句なので

「もし、わたしがこの情景に立ち会ったらなら、こう詠うなぁ」と

自分の作句をかえりみるために、つい詠ってしまうもので

けっして「こうしたほうが良い」などと思い上がっての改竄では

ありませんので、気を悪くしないでいただきたいのです