はあい、お待たせしました。
選句、選評がそろいましたので、お届けします。 ながいので、コーナーを二つにわけて
掲載しますね。
★ J次郎2 選 【 10 11 23 25 】
こんにちわ、選句です。
やはり、大根は干し大根が多ございました。
沢庵・古漬・切干などを期待しましたが
今回は「ふろふき大根」を選ばせていただきました。
食欲旺盛なうたこさんは、どこにいるかな?
9 14 22と見ましたが、選外なのはなぜでしょう。
選評
1 「池の鳥、枝たつ鳥や、五重塔」
季無しと見えて残念。
(盗作:池に鴨、飛び立つ鳩や、五重塔)
2 「一病を、忘れて踊る、小春かな」
小春日和の気持ちよさがあらわれていますね。
3 「寒風に、落ち葉の行方、気にかかる」
そのとおりなのですが、ストレートなので・・やや
(附句:捜索願いは、誰に問うべき)
4 「珈琲の香の、散るに手を添う、隙間風」
情景が弱い。隙間風が冷たいのでカップに手を温める、つもりだったが
そうは読めない。
5 「子の祝言、間近き今日の、小春かな」
幸せと、その象徴のような日和、ですね。
6 「浅草寺、けむりを浴びる、菊花展」
菊花展もまた、無病息災を祈ってるとは、
着眼がおもしろいですね。
(盗作:菊展も、煙くぐって、浅草寺)
7 「大根が、干され津軽の、匂ひする」
津軽の匂い、大きな印象が良い、と思います。
ただ、信州だって美濃だって大根は干すんですけど・・・
(盗作:大根干し、これも津軽の、匂いなり)
8 「大根と、鴨がそろって、ひなたぼこ」
ごめんなさい、情景が。縁側に撃たれた鴨が置いてあるのを想像しちゃって・・
9 「大根や、綱引きころげ、千切れ雲」
場面転換がおもしろいですね。ユーモアたっぷりです。
でも、「や」で切っちゃうと運動会の場面みたいにも。
(盗作:大根引き、勝ってころげて、千切れ雲)
10 「ただいまの、声より先に、土大根」○
どさりと音を立てて、採ったばかりの大根が置かれる情景が眼に浮かびます。
11 「立ち上がる、たびどっこいしょと、雪囲い」○
五七五の字数をうまく使われてますね。年齢や地域まで目に浮かびます。
12 「立ち入れば、廃工場の、蔦も枯れ」
うーん、「立つ」の無理付け。上五は無用。雑詠にすべし。
(改作:「売り地」立つ、廃工場は、蔦も枯れ)
13 「立ち姿、だんだん丸く、なる二人」
おもしろいので、選句しようとおもったけど、季無し。
(附句:テレビ、番する、夫婦のダルマ)
14 「笛吹けど、立つも踊るも、着ぶくれて」
こちらは、季あり、そしておもしろい。選外は心外。
(附句:テレビ、番する、夫婦のダルマ)
15 「冬立って、天使が飛ぶよ、富士の山」
雲を天使と見立てたのが、おもしろいと思います。
16 「冬の夜、ガラス曇って、影絵かな」
句が弱い。なんといえば良いのだろう。
場面の転換の無い、順に説明してる、印象が、勢いを弱めているのかな。
17 「塀垣に、男所帯の、干し大根」
板塀なのか、ブロック塀か生垣か、無造作に大根が掛けられている。
ただ、塀垣って熟語はあったのだろうか?
18 「干大根、冷風あびて、一人前」
むむぅ、説明句だなぁ。
19 「ほろほろと、箸先あやうし、ぶり大根」
イメージが紋切り型。「危うし」という言葉だけで句をつくろうとしている。
20 「わびしさも、炬燵ひとつの、あたたかさ」
小春日和の他の句に比べて、同意する部分が、やや少なく感ずる。
炬燵ひとつしかないので、暖かさが侘しい。のか
侘しいけれど、炬燵ひとつで癒される。のか、どちらととれば良いのか迷う。
21 「大根が、干されし軒下、老夫婦」
情景は浮かぶ。けれど「干されし軒下」が説明過剰なんじゃなかろうか。
(盗作:大根が、老いた夫婦と、ひなたぼこ)
22 「冬空に、岩なでてみる、立石寺」
蝉の声は残っていましたか?と聞きたくなりますね。
兼題「たつ」をうまくこなされていますね。
(附句:土に寝入りし、せみきりぎりす)
23 「風呂吹きに、箸の刀や、妻の顔」○
兼題「大根」を詠まないで読ませるところがうまく、ユーモアもありますね。
22と23どちらをとるか迷いましたが、22さん、ごめん。
ところで、固い大根にどんな顔をしてるのでしょう。
(盗作:ふろふきに、箸を刀の、妻の顔)
24 「妖しげな、リズムギターに、枯れ葉舞う」
どんなギターでしょうか。
ごめんなさい、ちょっと思い浮かびません。
25 「立ち座り、花嫁の父、神無月」○
神無月は、俳句にするための無理付けっぽい(実景なのだろうけど)。
でも、上の二句には、「そうだよなぁ」と同意する
(附句:吹き寄せらるる、霜月の葉々)
26 「旅立ちを、止めるが如く、流行風邪 」
旅立ちを止められちゃったんでしょうか。それとも
風邪だけど、旅行に出たのでしょうか。
「如く」は弱い。と思います。
(盗作:旅立ちを、止めてくれるな、流行風邪)
(盗作:旅立ちを、止める理由に、流行風邪)
(盗作:旅立ちに、処方箋つけ、流行風邪)
(附句:ことわる電話の、声はかすれて)
なお、盗作や附句をするのは、とても「気になる」句なので
「もし、わたしがこの情景に立ち会ったらなら、こう詠うなぁ」と
自分の作句をかえりみるために、つい詠ってしまうもので
けっして「こうしたほうが良い」などと思い上がっての改竄では
ありませんので、気を悪くしないでいただきたいのです