顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

第14回 選句・選評 (火、千両)

この前 新年明けたと思ったら、もう月末!

時間の過ぎるのは何てはやいんでしょう。

皆様、お元気ですか。

さて、お待ちかねの選句・選評がそろいました。

お忙しい中での選句、選評、本当に有難うございました。

無理にとはいいませんが、作品を投稿してくださる方は、ほかの人の句も

観賞し、選句・選評(選句だけでも、感想だけでもいいですから)のほうにも

ぜひ 加わっていただければありがたいです。よろしくお願いします。

それから次回から、投稿先は karako06@yahoo.co.jp のほうにお願いします。





★★ しらべる選  【4,14,20,33,41,43】

選評 

4 新しき雪にうさぎが去りし跡
 
  ○ほんのスナップですが山郷の空気。


14 七草や子の離乳食はじまれり

  ○家庭歳時記だね。


20 バスを待つ列長々し雪の朝

  ○語呂がうまくまとまったかな。

33 鉄鍋の匂う焚き火や臨時工

  ○臨場感あふれる。


41 永らくの貼り紙めだつ年の明け

  ○今年はいっそう実感します。

43 母の背で赤子のほっぺ実千両

  ○いい絵ですねえ。




★★ J次郎2選 【6、13.15.22.33.50】


選評

06  膝に猫うつらうつらと日向ぼこ

    ゆったりと流れる時間が眼に浮かびます


13 千両のふた色のみの潔さ
 
    簡潔な言い切りが好ましいです


15  一枝を切って千両床飾り

    時間順の説明ぽいのが少し気になりますが
    これも簡潔なところをとって


22 初稽古逆光の床にしんと立つ

    剣道の初稽古でしょうか。磨いた床が
    光っているのが見えるようです


33 鉄鍋の匂う焚き火や臨時工

   その情景ははっきり眼に浮かびます
   そこが良いのですが
   その想像ははたして、あっているのか


50 水かける焚き火の灰の怒りよう

   おもしろいですね。川柳のようなユーモアが
   きちんと俳句におさまっています


選句外ですが、気になったのが

37  山眠り穴窯の火は焚き続く

    山眠りが、どうも無理っぽいのが気になる。
    穴窯が、炭ではなく焼き物のようなので
    結びつけがうまく行かない
    しかし、雪の降り続く夜に、窯の焚口からもれる
    炎の明るさ。そのイメージがとても良いので
    別の切り口であれば、選句したと思う


49 あかあかとダルマ夕日も草珊瑚

    ダルマ夕日がどのようなものか
    想像どおりであれば、これもよい叙景だと思う。
    難点をいえば、秋の景とは言えそうだが
    一月の雑詠ではないだろうと

その意味で、小春日和・日向ぼこを詠っているものは
選句しないべきなのかも・・・


さて恒例のうたこあて

14  七草や子の離乳食はじまれり
30 小春日やガレージライブ楽しけり
50 水かける焚き火の灰の怒りよう
52  燃えさしの恋火となれり寒椿
14・50はうたこさんだと思う。
30・52はうたこさん風だと感じる。
千両が無いじゃないか
3  千両の実より鮮けし子らの紅 かなぁ・・自信なし




★★ 木庭ちゃん選 【1,13,14,22、41,45】

 
焚き火や囲炉裏 千両の花や箱 そして役者など 日常の

生活から いろいろな風景が詠まれていて悩みました。

選評

1 火に乗せて去年つれてけどんど焼き

   激しく燃える炎の中へ 嫌なことなんか全部燃えてしまえ~~


13 千両のふた色のみの潔さ

   大きい熊手の千両箱 黒い文字と見事な輝き・・

14 七草や子の離乳食はじまれり

   すくすくと育って欲しいと願いを込めて・・家族の笑顔が浮かびます


22 初稽古逆光の床にしんと立つ
 
   窓から差し込む光・・冷え切った道場に漲る緊張感が伝わってきます

41 永らくの貼り紙めだつ年の明け

   慌ただしかった年の暮れの張り紙やポスターが・・
   破れたまま風にヒラヒラと・・よく見かける風景


45 千両のただ赤々と丸々と

   言われてみると・・ほんとに丸い丸い・・




★★島ちゃん選 【3,4,31,35,36,50】

以上です。選評は今回はごめんなさい。 よろしくお願いします。




★★風智選 【10,25,34,43,50,52】

 相変わらずの言葉足らずの選評ですが、宜しくです。

選評

10 ストーブの特等席に猫のおり

    ペットなら許せる。連合いなら・・


25 子等が去り寂しく溶ける雪だるま

   子供たちの遊んでる姿って活気をもらえるし、癒されるし、溶
   ける雪だるまが子等去った家の中や老人心を・


34お正月千両の実もとそを飲み   (そうですね。もう一杯どうぞって感じ)

43母の背で赤子のほっぺ実千両(元気な赤ちゃんそのものですよね)

50水かける焚き火の灰の怒りよう(いつもそう思ってたけどこう言う風に表現できなかった)

52燃えさしの恋火となれり寒椿(うまく言い表せないけど、素敵です)




★★法被衣(はっぴい)選 【16、21、01,27、37,35】

16 見ず知らず囲んで和む焚き火かな

    焚き火の暖かさは人を和ませます。
    風下には行きたくありませんがね。


21  湯豆腐や犬猫自慢きりもなく

     なぜか自分のペットが一番かわいい・・・。
     これが年寄りになると薬談義になったりします。


01 火に乗せて去年つれてけどんど焼き

     空に煙と燃えかすが立ち昇って行く様子が見えてきます。
     去年つれてけ、がいいです。


27 見つめればつかんでみたい炭火かな

     真っ赤な炭火の中の中、つかんでみたいという観察欲求は
     わかるような気がします。


37  山眠り穴窯の火は焚き続く

     登り窯でしょうか、三日間焚き続けると聞きます。
     闇の中、踊るような炎の勢いが見えるようです。


35 雪積り千両の実目立ちすぎ

     表現がストレートですが伝えたい情景がよくわかります。
     盗作:雪積もり 千両の実のみ 目立ちたり・・・とか。


選外

52  燃えさしの恋火となれり寒椿

     これは地に落ちている寒椿でしょうか。
     花の縁が少し茶色に変色しかけた?


20 バスを待つ列長々し雪の朝

    朝日に輝くバスを待つ思い思いの人々。
    こんな光景も思い浮かべました。
    盗作:バスを待つ  吐く息の列 雪の朝




★★かんな選  【1、6、20、25,30,35】

選評

1 火に乗せて去る年つれててどんど焼き
   
    昨年あまりいい事がなかった・・・
    どんど焼きがけじめをつけてくれて、くる年はイイことがありますように
    希望がみえるようでいいですね~


6  膝に猫うつらうつらと日向ぼこ

    気持ちよさそうー私もいつの日か・・・


20 バスを待つ列長々し雪の朝

    高知はあまり雪が降らないので普段学校や会社に行くのは自転車と
    車が多くて比較的バス、電車は空いているのが、雪の朝になると
    みんな考えていることは同じなんですね~。
    うんうん、解る解ると一人 言を言ってしまいました。


25 子等が去り寂しく溶ける雪だるま

    お正月に帰省した孫達?がつくった雪だるまがみんなが帰り、時間
    が経ち一人寂しく溶けていくさまがとても共感できました。


30小春日やガレージライブ楽しけり
    これは風智さんだと思います。風智さんが天気のいい日に楽しくギターを
    弾いているのが目に浮かんで頂きました。

35雪積り千両の実目立ちすぎ
  
    雪が降った真白い景色の中で千両の赤が目に飛び込んできたのでしょうね。
    テレビや映画の一こまみたいできれいな景色が思い浮 かべることができました。




★★ 歌子選 【1、22、29、33、43、44】

1 火に乗せて去年つれてけどんど焼き
  
   昨年の数々の重い課題が、天の神さまの元へ祈りとなって昇華されていく感じ。
   どこか軽やかな言葉運びと言葉遣いに、さて~~~頑張るか~!っていう気持ちに
   させられます。



22 初稽古逆光の床にしんと立つ

   何の初稽古なんでしょうか、逆光の床にしんと立つ。。。
   きりりとした緊張感と清廉な空気が伝わってきて、モノクロの影絵になった逆光写真を
   見るような美しい映像が目に浮かびます。いいですね。


29 吹雪晴れ灯火のように月流れ

   さっきまで吹雪いていたのが嘘のように晴れ、空を見上げると、月が出ている。
   月の下には、雪になり損ねた雲が、勢いをつけて流れていく。それはまるで
   回り灯籠のようだ。。。。おそらくそんな情景だろうなあって、雪国
   の住人には、ものすごくその景が見えてくるのです。


33 鉄鍋の匂う焚き火や臨時工

   『鉄鍋の匂う焚き火』で何かしらほんわかとしたものを想像させられましたが、
    下5で、実は厳しい今の時代の現実を写生しているのにきがつき、はっとさせられました

 
43 母の背で赤子のほっぺ実千両
   あかちゃんの愛らしいほっぺに惹かれてしまった。


44暖炉の火囲む人生照らしおり

   囲む人の顔や様子などではなく、人生を照らすという表現で
   この句を奥行きの深いものにしていると思いました。





次ページに、作者と作品を掲載します。少々お待ちください。