顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

J次郎2選  第18回 選句・選評

J次郎2選 【1 9 22 28 39】

1 かたつむり阿修羅のごとき我が心



   かたつむりと阿修羅。とても結びつくとは思えないイメージなのだが。

   阿修羅のごとく猛り狂わんとする自分を押し殺し、さらに押し殺している。
   
   そのような状態を「かたつむり」の「動いているようにもみえない」ところに
   
   重ね合わせているのであろうか。
   
   そのイメージの落差が想像を刺激する。





9 夫の愚痴われはなりたしかたつむり

   貝になるのは、閉じこもり口もきかないことだが
   
   かたつむりになるのは何だろう。
  
   耳の聞こえない、我関せず我が道を行くことなのだろうか。
  
   「なりたし」は「なれない」のだから、やはり夫の愚痴は聞いているのである。
   
   相槌も打ち、返事もするのである。
   
   長い人生を共有してきた夫婦の状況をよくあらわしている。と思う。





22 引きとめもされず退会薄暑なり

   さて、どんな会だったのだろう。
   
   薄暑と薄情をかけてるんですね。おもしろい。





28 軒の巣を取られて戻る蜂二匹

   驚いているのか、とまどっているのか、巣のあった場所をぐるぐると
   
   まわっているのでしょう。
  
   あきらめきれない感じをもたせる写生ですね。




39 雨上がり遍路姿が目に眩し

   お遍路さんの白い衣が陽に照りかえっているんですね。
  
   季語はないのですが、この句は真夏より初夏が似合いそうです。







選句外で気になった句は


12 ウエディングドレス姿やかたつむり


   長ーーーいベール姿でしずしずとゆぅっくり歩くのがカタツムリに
   
   見えたんですね。連想がおもしろいと思います。





16 救急車慌ただしく行く薄暑かな

   救急車はいつもあわただしく出動します。薄暑に限らないですよね。

   でも、結びつけた。

   なぜでしょう・・考えさせられますね。

   ただの写生(こんな場面でした)の可能性もあります。
   
   うーん。まだ考えてます。






35 庭畑宇宙さがしの胡瓜かな 

   キュウリのつるが勢い良く伸びて、空に向かっているのを

  「宇宙さがし」とは、うまい言葉を見つけたもんだ。と感心します。
   
   選外なのは・・・第一感が「おおげさじゃないか」だったので










J次郎2句


つめくさが蜂のおもさに耐え切れず【J次郎2】

百合を喰う犯人逮捕だかたつむり【J次郎2】

日陰来て風が背中を薄暑んや【J次郎2】

水を張る田を背に帰る猿一頭【J次郎2】

サボテンの花見そこねて出勤す【J次郎2】

釣り人は見るはずもなし花菖蒲【J次郎2】

見捨てらる家を見下ろす桐の花【J次郎2】